旧石器時代(約3万年前)から文明が育まれてきた、歴史ある埼玉県。関東平野の内陸部に位置して風水害が比較的少なく、現代では都心部へのアクセスも良いことから、住人の満足度が高いことでも知られています。そこで今回は、埼玉県で受け継がれてきた伝統工芸を現代の暮らしに合うようアレンジした、魅力あふれるローカルクラフトの情報を厳選してお届け。埼玉県行田市の観光大使を務める、芸人の鳥居みゆきさんに紹介していただきます。

REVIEWER

鳥居みゆき

行田市観光大使/お笑い芸人・絵本作家

鳥居みゆきさん

1981年生まれ、秋田県出身・埼玉県行田市育ち。2008年・2009年の『R-1ぐらんぷり』で決勝に進出。パジャマ姿でくまのぬいぐるみを持つキャラクターで話題をさらうが、その実態は児童発達支援士や発達障害コミュニケーションサポーターなどさまざまな資格を取得し、フラッシュ暗算を特技とする。NHK Eテレ「でこぼこポン!」に出演中。2017年5月に行田市観光大使に任命。

埼玉県のローカルクラフト3選

きねや足袋/デニム岡足袋 紺石底 5枚こはぜ 晒裏、紐足袋 正藍染 黒石底 厚川産業袋/桐器 羽釜米びつ SUMI、かるばこ 久保製紙袋/レターセット大、ブックカバー(千代紙)、ポチ袋、ぽち包み
きねや足袋/デニム岡足袋 紺石底 5枚こはぜ 晒裏、紐足袋 正藍染 黒石底 久保製紙袋/レターセット大、ブックカバー(千代紙)、ポチ袋、ぽち包み
デニム地や武州正藍染を用いた現代の暮らしに合う足袋 桐の特徴を最大限に活用した、軽量&高品質の家具 約1300年の歴史をもつ、素朴で温かみのある和紙
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Craftsmanship
in this Prefecture

埼玉県の伝統産業とものづくりの魅力とは?

四季折々の豊かな自然に囲まれ、産業・学術など多様な文化が発達した埼玉県は、東京、神奈川とともに日本の中核を成すエリアとして、その地位を確立しています。そんな埼玉県には、行田足袋や春日部桐箪笥、小川和紙、飯能大島紬、武州磨き本瓦など、独自の風土と歴史に育まれた伝統工芸がずらり。後世に伝統を継承するために、新たな可能性を模索するとともに、県をあげて技能後継者の育成に努めています。

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目次

埼玉県行田市 【きねや足袋】デニム岡足袋 紺石底 5枚こはぜ 晒裏、紐足袋 正藍染 黒石底
和装文化を支え続ける「行田足袋」

江戸時代中期に当地の藩主が奨励し、武士の妻の内職として広まったとされる行田の足袋作り。質の良さが人気を博し、昭和初期には全国の足袋生産量の約8割を占めるほどの産業となり、足袋を保管する「足袋蔵」が行田市内のあちこちに建てられました。

現在、靴下の普及により足袋生産は減少しましたが、行田足袋の人気は和装ファンの間で衰えることはなく、国内屈指の生産地として高いシェアを維持。2017年には「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として、文化庁が認定する日本遺産に認定されました。

今回ご紹介する「きねや足袋」は、1929年に足袋の下請け業としてスタート。熱海の芸者さんに足袋を配るなど、地道な努力を続け、全国屈指の足袋工場に成長。伝統に裏打ちされた、ていねいなものづくりが行われています。

鳥居みゆきさん

鳥居みゆきさん

デニム岡足袋は、履き心地の良さはもちろん、洋服にもぴったり。履けば履くほど味が出ます。正藍染の紐足袋は、藍染独自の風合いの変化が楽しめる逸品です。洋をまとった、和の遊び心。足元でひそかに暴れ中!

育てる楽しみを与えてくれるデニム足袋

育てる楽しみを与えてくれるデニム足袋

草履に比べて底面が薄い雪駄は、地面の影響を受けやすいもの。そこで、小石や草むらから足を守るため、底面が厚くしっかりとした作りの「岡足袋」が誕生しました。きねや足袋では、デニム生地で現代の暮らしに合うよう小粋にアレンジ。履くほどに足に馴染み経年変化が楽しめる、大人の着道楽のための一足が生まれました。

表生地には、岡山県のデニム地メーカー「クロキ」が手掛けた、14.5オンスのデニム地を使用しています。

表生地には、岡山県のデニム地メーカー「クロキ」が手掛けた、14.5オンスのデニム地を使用しています。昔ながらのシャトル織機で織られた肉厚なデニムは、肌触りがやわらかく、足にふんわりとフィット。足底に紺色の底生地を用いることで汚れが目立たず、長く愛用できる一足に。デニム地なので、洋装にも馴染みます。

「きねや」の文字が浮かぶ、レトロ感のある金色のコハゼ(金具)と、ブルーの裏地の組み合わせが秀逸。

「きねや」の文字が浮かぶ、レトロ感のある金色のコハゼ(金具)と、ブルーの裏地の組み合わせが秀逸。コハゼが5枚並ぶ足首の上部まですっぽり隠れるデザインで、足を温かく包み込んでくれるので、室内履きとしても重宝します。

結び目がワンポイントになるレトロおしゃれな一足

結び目がワンポイントになるレトロおしゃれな一足

足袋はコハゼで留めるもの、そう思っている人も多いかもしれません。しかし、コハゼが登場したのは明治中期頃のこと。それ以前は、足首の周りを紐で結んで留める「紐足袋」が一般的で、開口部が広く作られているため、甲が高い人や、足首まわりがしっかりしている人でも脱ぎ履きしやすいのがメリット。また、リボン結びがワンポイントとなり、おしゃれ感がアップします。

こちらの紐足袋も底面は、汚れが目立たない黒色。室内履きにしたり、作務衣と合わせたり、自分なりの流儀で楽しむことができます。

紐足袋の表には、武州正藍染(ぶしゅうしょうあいぞめ)の生地を使用。江戸時代中期から作られており、色に深みがあって美しく、色持ちが良いことから、現在も剣道着の約8割で使用されているそう。

藍が落ちるので、履く前に必ず単独で洗濯を。洗濯を繰り返すうちに紫からブルーへと変化する、正藍染ならではの独特かつ美しい色落ちが楽しめます。

商品概要・ご購入はこちら!

きねや足袋

デニム岡足袋 紺石底 5枚こはぜ 晒裏(写真右)
紐足袋 正藍染 黒石底(写真左)

参考価格: ¥4,004〜(税込)

デニム地の岡足袋は、若い人たちの感性を刺激。ロングスカートやパンツスタイルに合わせてもおしゃれ。昔ながらの足袋を再現した紐足袋は、藍染ならではの色の変化が楽しめる逸品。今回紹介した足袋のほか、ランニングフォームの改善がかなう「ランニング足袋 きねや無敵」など、オリジナル商品も必見です。

            
デニム岡足袋 紺石底 5枚こはぜ 晒裏 ¥4,180~4,345(税込)
紐足袋 正藍染 黒石底 ¥4,004~4,169(税込)

埼玉県吉川市 【厚川産業】桐器 羽釜米びつ SUMI、かるばこ
桐の利点を生かしきった、伝統の技をご家庭へ

【厚川産業】桐器 羽釜米びつ SUMI、かるばこ

埼玉県の春日部~吉川エリアは、約300年の歴史をもつ桐製品の産地で、そこで作られる桐箱は「春日部桐箱」と呼ばれています。その発端は江戸時代初期のこと。日光東照宮造営のために全国から集められた工匠たちがとどまり、技術を伝えたことから桐器作りが始まったといわれています。

天保年間(1830~1844年)には、この一帯には数十もの指物師や箱屋が軒を連ねていたそう。この伝統を守り続け、今もなお全国一の生産量を誇っています。

桐材の特徴は、木目が美しく光沢があり、防虫・防カビに優れた効力を発揮すること。また、湿気に強いことも利点です。国産有用樹の中で最も軽量で、日々の暮らしに取り入れやすい点も、桐が使い続けられている理由の一つとなっています。

そんな桐のメリットを余すことなく生かすべく作られたのが、羽釜を模した桐製の米びつ。

そんな桐のメリットを余すことなく生かすべく作られたのが、羽釜を模した桐製の米びつ。厚さ18mmで虫を寄せつけることなく、桐材が適度な温度と通気性をもたらすことで、お米の品質を損なうことなく保存可能に。見た目はずっしりと安定感のある印象なのに、約1.5㎏と軽量なことも注目ポイントです。

キッチンはもちろん、リビングに置いても邪魔にならない愛らしいデザイン。大きさは5kgのお米がピッタリ入る、程よいサイズ感です。桐の木目を生かしたおしゃれなデザインは、毎日の暮らしに彩りを添えてくれることでしょう。

鳥居みゆきさん

鳥居みゆきさん

桐のチカラで、湿気も虫もお断り! 羽釜フォルムの米びつはインテリアとしてもいいし、家事をするたびにちょっと笑顔になれそうです。お米にとってストレスゼロな生活を約束してくれる、うれしい桐の米びつ。私もストレスゼロに生きたい! 米になりたーい!

楽しみ方自在。考える力も養える「かるばこ」

楽しみ方自在。考える力も養える「かるばこ」

桐材の魅力を生かしたアイテムをもう一つご紹介。それがこちらの「かるばこ」です。縦横は30cm。高さは20cm・40cm・60cmの3種類がラインナップ(写真は40cm)。タテにしても横にしてもOKで、スツールに、サイドテーブルに、踏み台に、さまざまに活躍してくれます。

40cmサイズで約2kgと軽量ですが、内部にウレタンフォームを入れて補強されていることで、大人が座っても壊れない強度に仕上がっているのが特徴です。

40cmサイズで約2kgと軽量ですが、内部にウレタンフォームを入れて補強されていることで、大人が座っても壊れない強度に仕上がっているのが特徴です。子どもが使っても危なくないよう角をすべて取り、干した萱の根を束ねた特製の道具でこすることでキズが付きにくいよう加工。食品保存に適した自然派塗料を使うなど、そこかしこに作り手のこだわりが見受けられます。

なお、今回紹介した米びつとかるばこのデザインを手がけたのは、埼玉県出身のデザイナー・齋藤秀幸さん。オフィス家具メーカーで経験を積み、暮らしに寄り添う家具や日用品作りを手掛けています。

職人が一つ一つ手作りした、ぬくもり感のある桐器

職人が一つ一つ手作りした、ぬくもり感のある桐器

多孔質で、発泡スチロールのような気泡状の組織が密集しているのが桐材の特徴。外気温の影響を受けにくく、保温性・断熱性に優れていて、触れたときに独特のなめらかさ・温かさを感じさせてくれます。唯一のデメリットは、他の木材に比べてやわらかく、傷がつきやすいこと。その分ゆがみや変形に強く、経年変化が少ない点は桐材の魅力になります。また、熱伝導率が低く燃えにくい性質をもつのも特徴で、子どものそばに安心して置いておける点も魅力的です。

自然の恩恵+伝統の技により、長きに渡って日本の暮らしを支えてきた桐製品。ぜひ身近に置いて、その良さを感じてみてください。

商品概要・ご購入はこちら!

厚川産業

桐器 羽釜米びつ SUMI、かるばこ(高さ40cm)

参考価格: ¥24,240〜(税込)

300年の歴史を誇る「春日部桐箱」の伝統と技術を生かし、現代的なデザインに昇華。木目が美しく、なめらかな桐器が、暮らしにぬくもりをもたらします。
厚川産業は明治31年に桐箱メーカーとして創業。資源保護にも積極的に努め、消費するだけではなく、未来に残る伝統産業の仕組み作りに力を入れています。

            
桐器 羽釜米びつ SUMI ¥28,598(税込)
かるばこ(高さ40cm) ¥24,240(税込)

埼玉県比企郡小川町 【久保製紙】レターセット大、ブックカバー(千代紙)、ポチ袋、ぽち包み
1300年の歴史が培った、手すき和紙

【久保製紙】レターセット大、ブックカバー(千代紙)、ポチ袋、ぽち包み

埼玉県中央部のやや西側、外秩父の山々に囲まれた風光明媚な小川町は、古くから多くの伝統産業で栄えてきました。国の重要文化財に指定された吉田家住宅や、日本最古の石造りの供養塔や板碑を擁する大聖寺など、歴史的建造物が現存。「武蔵の小京都」と呼ばれ、若い世代やインバウンド客からも人気を集めています。

そんな小川町の名物として名を馳せているのが「小川和紙」。

そんな小川町の名物として名を馳せているのが「小川和紙」。奈良の正倉院に納められた文書には、774年に「武蔵国紙」が収められた記録が残ることから、約1300年の歴史をもつと推定されています。

平成26年には小川和紙の一種である「細川紙」(楮の白皮のみを原料に用いた手すき和紙)の製造技術が、石州半紙、本美濃紙とともにユネスコ無形文化遺産に登録され、埼玉県の和紙作りが世界から注目を集めるきっかけとなりました。

鳥居みゆきさん

鳥居みゆきさん

紙作りに1300年⁉ 時間かけすぎじゃない⁉と思うかもしれないけれど、否! それだけの時間をかけたからこそ、今の暮らしにも馴染むすごい紙ができあがったんです。暮らしにスッと溶け込む、日本のやさしさを感じさせてくれる和紙。わーん、そんなにやさしくされたら泣いちゃいます! でも、和紙があれば、涙が出たって大丈夫♡

手にやさしく馴染む和紙は、ストレスゼロな暮らしを確約

手にやさしく馴染む和紙は、ストレスゼロな暮らしを確約

小川和紙の魅力は、なんといっても、美しさと丈夫さを両立している点。書画・版画用紙などに用いられるのはもちろん、壁紙などのインテリアや、名刺、障子紙、文化財の修復などさまざまな分野で活用されています。

今回取材撮影にご協力いただいたのは、5代目・久保孝正さんが率いる「久保製紙」。

今回取材撮影にご協力いただいたのは、5代目・久保孝正さんが率いる「久保製紙」。楮などの原料栽培技術の継承とともに、化学薬品を使わない和紙作りから、現代の需要に応じた製品の提供を通して、小川和紙の発展に尽力しています。

久保製紙が生み出す和紙は、ていねいに紙を漉き、繊維を落ち着かせることで生まれる美しい風合いが魅力。なめらかな紙面は筆先がバラけるのを防ぎ、墨のにじみも防いでくれます。触れているだけで心が落ち着いてくるような、やさしい心地よさをもたらしてくれることも、久保製紙の和紙の特徴かもしれません。

贈る楽しみも味わえる、温故知新なデザインも魅力

贈る楽しみも味わえる、温故知新なデザインも魅力

久保製紙の直営売店である「紙すきの村」には、小川和紙を使った製品がずらり。久保さんが手掛けた和紙とともに、オリジナルの和紙雑貨や、水引作家やアーティストがデザインを手掛けた和紙加工民芸品がそろっています。

小川町までは、池袋から東武線特急に乗れば1時間半ほどで到着。都心からの日帰り旅の目的地にも最適な小川町で、伝統文化に触れる休日を過ごしてみませんか?

商品概要・ご購入はこちら!

久保製紙

レターセット大、ブックカバー(千代紙)、ポチ袋、ぽち包み

参考価格: ¥300〜(税込)

大正2年に創業した久保製紙は、自然豊かな小川町の地で、伝統的な和紙作りを継承。直営売店の「紙すきの村」では、秀麗な小川和紙のほか、アーティストとコラボレーションした現代の暮らしにマッチする和紙小物などが購入できます。工房の見学や和紙作り体験もできるので、お出かけの際は、余裕をもたせた旅程がおすすめ。

                
レターセット大 ¥1,200(税込)
ブックカバー(千代紙) 各¥750(税込)
ポチ袋 ¥300(税込)
ぽち包み ¥300(税込)

鳥居みゆきさんが思う、埼玉県のものづくりのこれから

鳥居みゆきさんが思う、埼玉県のものづくりのこれから

あらためて、埼玉県って実はすごい⁉って実感。旧石器時代から人々が暮らしきて、江戸時代には中山道など交通の要衝となったこともあり、知られざる工芸品やローカルクラフトがいっぱいあります。埼玉の県民性は誰が決めたか「穏やかで控えめ」らしいので、これからもきっと、埼玉県らしく、穏やかで控えめに地道な努力を続け、伝統工芸を後世に残してくれるものと信じています。

私は行田市の観光大使なので、少しだけ宣伝。行田市には、ゼリーフライや田んぼアート、水攻めに耐えた忍城など憧れを抱ける魅力がいっぱいあります! あ、「観光大使として、もっとちゃんと宣伝しろ!」なんて言われても、私は耐えられませんので。その点はどうぞ、ご了承ください!

撮影/藤井由依 編集・文/和栗恵

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