いびき防止枕のおすすめ8選！いびきをかきにくい寝姿勢を維持できる高さ・形状の選び方や人気の商品を紹介

「いびきをかきにくい寝姿勢を保てる、おすすめの枕はある？」
「いびきの防止をサポートする枕の選び方は？」

家族やパートナーから「いびきがうるさい」と指摘された場合は、枕を変えるといいかもしれません。正しい寝姿勢で舌が気道をふさがないようにすれば、呼吸がしやすくなり、いびきがかきにくくなる場合があります。では、どのような枕を選べば、いびきを抑えられるのでしょうか？

この記事では、快眠セラピストとして著名な三橋美穂さんに、いびきの防止をサポートする枕の選び方を教えてもらいました。

※この記事では、いびきをかきにくい寝姿勢を維持し、いびきの防止をサポートする枕のことを「いびき防止枕」と表記しています。
※医学的な効果を意味するものではありません。

また、おすすめのいびき防止枕8選も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

快眠セラピストが教える！

いびき防止枕の選び方

三橋さんにいびきの原因や、いびきの防止をサポートする枕の選び方を聞きました。

「いびきをかきにくい寝姿勢を保つには、枕の“高さ”と“形状”が重要です」と三橋さん

いびきの原因と枕の影響

「いびき」とは、睡眠中に舌根（舌の付け根）が重力と筋肉のゆるみによって喉に落ち込み、気道（空気の通り道）が狭くなることで起こる騒音を指します。

睡眠時に重力と筋肉のゆるみによって舌根が喉に落ち込み、気道が狭くなると、いびきが起こる

いびきが起こる原因は「顎が小さい」「肥満によって首回りに肉が多く付き、喉が狭くなっている」「鼻づまり気味で鼻呼吸の通りが悪い」などさまざまです。男性や太っている人に多いイメージですが、痩せていて喉が細い人もいびきをかきやすいのが特徴です。

いびきが軽い症状の場合は「寝息」。重くなると「いびき」。ひどくなると気道が完全にふさがれて呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」になってしまいます。睡眠時無呼吸症候群は、脳や心臓などに負担がかかるため高血圧や心疾患、脳血管障害などのリスクが高まるほか、日中に眠気が起こり交通事故・産業事故を起こす原因になってしまいます。

「いびきがひどくなると、睡眠時に呼吸が止まる『睡眠時無呼吸症候群』になってしまいます」と三橋さん

睡眠時無呼吸症候群の場合は病院での治療が必要ですが、いびきなら枕を変えて気道をふさがない寝姿勢にすることで対策ができます。

気道を確保できる「高さ」のものを選ぶ

いびきが軽い場合は、枕の高さを変えて気道を確保しやすくしましょう。

いびきをかかないための理想の寝姿勢は、仰向け寝の場合は「首がすっと伸びており、肩の力を抜いてリラックスした立ち姿に近い」状態です。特に枕が高いと顎が下がり、気道が狭くなるので注意しましょう。また横向き寝の場合は「頭、首、背骨のラインがまっすぐになっている」姿勢が理想です。

自分に合った枕の高さを知るには、実際に枕に頭を乗せ、「仰向け寝」「横向き寝」の状態を横からスマホのセルフタイマー機能を使って撮影して確認するのがおすすめです。家にあるもので試す場合は、ふだん使っている枕を使ったり、Tシャツやタオルをたたんで擬似枕をつくって確認するといいでしょう。

いびきの程度や寝姿勢に合わせて「形状」を選ぶ

いびきの防止をサポートする枕の形状は「頭の形に合わせてつくられている」ものです。具体的には首部分が少し盛り上がっており、中央が後頭部の形に合わせて少し凹んでいる状態です。このような形状なら、仰向け寝で気道を確保しながら眠ることができます。

仰向け寝の場合、首部分が少し盛り上がり、中央が少し凹んでいる形状がおすすめ

いびきがひどい場合は、横向き寝やうつ伏せ寝など、舌の付け根が気道に落ち込まない寝姿勢に変えることをおすすめします。

横向き寝は、仰向け寝よりも肩幅がある分、高さが必要になります。そのため理想の形状は「中央が凹み、両サイドが高い」ものです。この形状なら、中央の凹みで頭を包み込み、両サイドの高さで肩の負担を軽減できます。また横向き寝は、耳が枕に当たり痛みを感じることがあります。中央の凹みでもある程度軽減できますが、できれば柔らかい枕を選びましょう。

横向き寝の場合、中央が凹み、両サイドが高い形状がおすすめ

このほか、横向き寝をするときは、抱き枕としても使える「J字型」や「L字型」「U字型」の枕も選択肢に入ります。枕によっては耳用の穴が空いているものもあり、おすすめです。

「J字型など横向き寝専用の枕には、耳用の穴が空いているものもあります」と三橋さん

うつ伏せ寝に適した枕は「腰が反らない低めの枕」です。うつ伏せ寝は胸を下にして寝るので、胸やお腹を圧迫します。胸の辺りから頭までクッションがあるものを選べば、胸への圧迫を回避し、睡眠中の呼吸がスムーズになり、眠りが深くなります。

うつ伏せ寝の場合、腰が反らない低めの形状がおすすめ

いびき防止枕のおすすめ8選

三橋さんセレクトによるおすすめ3商品と、三橋さんに教えていただいた選び方をもとに、your SELECT.編集部が選んだおすすめを5商品紹介します。

頭を「面」ではなく、ウレタンを凹凸状にした「点」で支える「ムアツ」シリーズの枕。後頭部が乗る中央部が低く、首が乗る端の部分が高い構造になっており、睡眠中、頭にしっかりフィットしてくれます。中身はウレタンフォームのほか、1cmと2cmのウレタンシートが計2枚入っており、高さを調節できます。

フランスベッドが開発した横向き寝専用のJ字型枕。背中を支えるように枕が伸びており、頚椎から脊髄のS字カーブをキープさせることで体への負担を軽減し、横向き寝でも無理のない寝姿勢をとることができます。耳用の穴は表裏面ともに空いており、右向き寝でも、左向き寝でも使えます。

真ん中に穴が空いた独特の形状の枕。穴の部分に胸を入れて上の枕に頭を乗せることで、胸やお腹への圧迫がなくなるので、うつ伏せ寝でもラクに使えます。中身はポリエチレンパイプで、通気性が良いのでムレにくく、快適に眠ることが可能。パイプの量を調節することで自分好みに高さを変えることもできます。

自分に合った高さに調節できる、やや硬めの高反発枕。首に当たる部分の高さが両サイドで異なっており、加えて、計6枚の高さ調整シートを入れることで、低い方は3～8cm、高い方は6～11cmに高さ調整ができます。8万回の耐久試験をクリアし、耐久性に優れているのもポイントです。

頭、首、背骨のラインが水平になるよう、緻密に設計された横向き寝用の枕。気道をしっかりと確保し、いびきをかきにくい姿勢を維持できます。中身は「メルティフィットDEO」という柔軟性と復元力のあるウレタンフォーム。硬すぎず、柔らかすぎず、適度な感触で快眠を促進します。1cm×2枚の高さ調整用パッド付きで、自分に合った高さに調節できます。

西川が人間科学医学博士監修のもとに開発した「睡眠博士シリーズ」の枕。肩口がフィットしやすいアーチ型になっており、横向き寝時の首の隙間を埋めてくれます。中身は通気性が良く、弾力性のあるソフトパイプを使用。パイプの量を調節することで高さを自由に変えられます。

首側の左右についたウイングが、横向き寝をしたときに頭、首、背骨のラインが水平になるようサポート。気道をふさがず自然な寝返りへと導いてくれます。枕を180度回転させると、ウイングに顎を乗せ、抱きかかえるようにしてうつ伏せ寝も可能です。

睡眠のスペシャリストたちが「いびきをかかない寝姿勢」を実現するために開発した枕。首が乗る部分を高く、後頭部が乗る部分を低くすることで頭がぴったりフィットし、理想の寝姿勢を保ちます。横向き寝にも対応しており、首に負担のかからない高さと角度を実現しています。

いびき防止枕を選ぶ前に知っておきたいこと

枕を選ぶ前に知っておきたいことを三橋さんに聞きました。

「いびき対策の観点でいうと、反発力や硬さ、素材は好みで選んでOKです」と三橋さん

いびき対策におすすめの枕のおもな素材

いびきの防止をサポートする枕の中身はファイバーやパイプ、ウレタン、ラテックス、エラストマーなどさまざま。いびき対策の観点で選ぶ場合は枕の高さや形状が合っていればいいので、素材は反発力や硬さなど好みで選びましょう。

ファイバーは、ポリエチレンを糸状に固めてつくり、春雨のような見た目をしています。反発力は高く、硬さはかなり硬め。通気性が高いので頭を涼しく保ちながら寝ることができます。

パイプは、ポリエチレンを短い筒状に固めてつくります。硬さは硬めで、ファイバーと同様、通気性が高い素材です。また商品によっては中身のパイプの量を自分で調節することが可能。たくさん詰めるほど密度が増して高く、硬くなります。

中身がパイプの枕は、パイプの量を自分で調節して高さや硬さを変えられるものも多い

ウレタンは、キッチンスポンジなどにもよく使われている素材です。「低反発ウレタン」や「高反発ウレタン」など反発力が商品によって異なり、硬さも変わってくるので、商品の特徴をよく確認しましょう。通気性は基本的に低いですが、中にはウレタンの気泡にある膜を取り除いた無膜加工を施すことで通気性を向上させた商品もあります。

ラテックスは、ゴムの木から採取される樹液を固めてつくります。硬さはかなり柔らかく、一方で反発力が高いのも特徴です。通気性は低いですが、商品によっては数多くの穴を開けた多孔構造にすることで、通気性を確保しています。

エラストマーは、医療用カテーテルに使われているゴム弾性を有する化学素材です。ラテックスにように、柔らかくて反発力が高いのが特徴。またパイプ状に加工されることも多く、その場合は通気性があり、ポリエチレンパイプよりも柔らかい感触になります。

中身がエラストマーの枕。柔らかくて反発力が高いのが特徴

このほか、中身が羽毛やポリエステルわたの場合もありますが、これらの素材は頭の重みで潰れやすく、適切な高さを維持するのが難しいため、いびき対策の観点でいうと向いていません。

いびきの防止をサポートする機能

いびきをかきにくい姿勢を維持するには、枕の高さが重要です。そのためにも、高さ調節機能があるとよいでしょう。「5mm～2cm程度の薄いウレタンシートを複数枚入れられる」「パイプの数を調節した高さを変えられる」など、できるだけ細かく高さを調節できるとグッドです。

薄いウレタンシートを入れることで高さを調節できる枕もある

枕の手入れ方法

基本的には枕カバーを週に1～2回程度、洗濯機で洗えばよく、枕自体は汚れたときや、気になったときに洗えばOK。なぜならいびきの防止をサポートする枕のおもな素材であるファイバー、パイプ、ウレタン、エラストマーはすべて化学素材なのでダニに食われることはなく、ラテックスは抗菌作用があり、ダニ・カビにも強い素材だからです。

中身がファイバーやパイプ、エラストマーの場合は、水またはぬるま湯で丸洗いでき、すぐに乾きます。ウレタンは商品によって洗える・洗えないが異なるので確認しましょう。また洗える場合でも、乾くまでに時間がかかります。ラテックスは水を含むと化学反応が起こり、ボロボロになってしまうので、洗うのは厳禁です。

いびき防止枕に関するよくある疑問 Q＆A

最後に、いびきの防止をサポートする枕に関する疑問を三橋さんに答えてもらいました。

「抱き枕があると横向き寝をサポートしてくれます」と三橋さん

Q. いびき防止枕と一緒に使うと効果が上がるアイテムはある？

A. いびきをかきにくくするには横向き寝がおすすめなので、横向き寝をサポートする「抱き枕」があると、長時間快適に眠り続けることができます。

おすすめの抱き枕を紹介します。

Q. いびき防止枕に合わせるといいマットレスは？

A. 基本的に反発力や硬さは好みでOK。ただ、横向き寝やうつ伏せ寝をするなら、柔らかいマットレスの方が肩や胸が沈み込みやすく、圧迫しにくいのでおすすめです。

Q. 枕を変えて、いびきをかかなくなったかチェックするには？

A. パートナーがいる場合はパートナーに聞き、一人で寝ている場合はスマートフォンの「いびき・寝言録音アプリ」を使うとよいでしょう。

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まとめ

今回は、快眠セラピストの三橋美穂さんに、いびきの防止をサポートする枕の選び方を教えてもらいました。

いびきをかきにくい寝姿勢を維持するには、「気道を確保する高さ」を知ったうえで、仰向け寝の場合は「頭の形に合わせてつくられている」形状を、横向き寝は「中央が凹み、両サイドが高い」形状を、うつ伏せ寝は「腰が反らない低め」の形状を選びましょう。

本記事で紹介した内容を参考に、快適な寝姿勢を保てる枕を見つけてくださいね。