【価格帯別】おすすめの日本酒を老舗地酒屋がセレクト!通販で買える日本酒6選

味ノマチダヤ鶴見

「日本酒は種類が多すぎてどう選んだらいいかわからない」
「手の届く範囲で、ちょっといいおすすめの日本酒が知りたい」

自宅でお酒を飲む機会が増え、おいしい日本酒が飲みたいという方も多いのではないでしょうか。とはいえ種類も多く、価格もピンからキリまであってどう選んだらいいか悩んでしまうもの。

この記事では、大人気漫画『美味しんぼ』に登場する老舗地酒屋「味ノマチダヤ」の鶴見高寛さんに、通販でも購入できるおすすめの日本酒を価格帯別にセレクトしていただきました
また、日本酒コミュニティ『酒小町』の代表・卯月りんさんに、日本酒にまつわる基礎知識や疑問についてお聞きしていきます

日本酒選びに自信がない初心者の方や、おいしい日本酒を新たに知りたい方はぜひ参考にしてくださいね!

SELECTorが教える!

老舗地酒屋・味ノマチダヤさんに聞く! 日本酒選びのポイントとは?

鶴見さん取材風景1

まずは、地酒屋「味ノマチダヤ」の鶴見さんに、日本酒選びのポイントを伺います。

鶴見高寛

株式会社味ノマチダヤ 専務取締役

鶴見高寛さん

千葉県出身。2009年に株式会社味ノマチダヤに入社。入社前はビールと焼酎しか飲まなかったが、先輩や蔵元さんとの間で修行を重ね、日本酒の味の違いを学ぶ。
現在は、専務取締役を務めつつ、店頭での接客も行っている。最近衝撃を受けた日本酒は、島根県・板倉酒造の「天穏」シリーズ。
味ノマチダヤ公式サイト

日本酒を選ぶときの3つのポイントとは?

日本酒を選ぶときのポイントはおもに以下の3つです。

  1. 自分の酒の好みを把握しておく(甘・辛、濃・淡、香りの有無など)
  2. 合わせる料理の味付け
  3. 自分の満腹具合

自分の酒の好みを把握しておく

「甘口 or 辛口」「濃い or スッキリ」「香りあり or なし」など、自分自身がどんな日本酒が好みかを把握しておくことが大事です。

今まで飲んだことがあるお酒の中で好きな銘柄を覚えておくと、味わいや香りが近い酒を選ぶのに基準になるので便利です。

合わせる料理の味付け

基本的に、日本酒の味と料理の味付けの濃さが近いものが合うと覚えておいてください。

つまり、白身魚の刺身など味がさっぱりしたものには、日本酒も同様にスッキリと爽やかなもの。濃い味付けの料理の場合は、料理に負けない味の濃いこっくりとしたものが合います。

また、日本酒はその産地の食べ物に合うようにできています。

例えば、高知県は名産のかつおやイノシシに合うように酒の味が濃く、日本海側の海産が有名な県は、魚に合うように酒はスッキリとしているのです。そのため、ご当地の食材と酒を組み合わせて楽しむのもよいでしょう。

自分の満腹具合

あまり知られていませんが、満腹具合によって同じ日本酒でも味の感じ方に違いが出ます。糖質が少ないスッキリとした酒は、空腹時だと少し物足りなく、満腹時だとちょうどいい濃さに感じます。

そのため、食事のお供に日本酒を楽しみたい場合は「スッキリとした酒」、日本酒だけで飲む場合は「濃い酒」がおすすめです。

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【価格帯別】通販で買える初心者にもおすすめの日本酒6選

おすすめ日本酒

味ノマチダヤ・鶴見さんに、オンラインサイトでも購入することができる日本酒の中から、おすすめの日本酒を価格帯別にセレクトしていただきました。

日本酒コミュニティ『酒小町』の代表・卯月りんさんに試飲していただいたコメントもあわせてご紹介していきます。

卯月さん

酒小町 代表

卯月りんさん

東京生まれ東京育ち。会社員時代、IT会社では広報、採用、Webディレクション、広告代理店ではPR企画、イベント運用などを担当。フリーでは企業の広報立ち上げの支援、PR企画、SNS運営を行っている。女性クリエイターで立ち上げた #日本酒がある暮らしがコンセプトのコミュニティの代表。
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メディア『酒小町』

【1000~3000円未満】普段飲みにおすすめのお手頃日本酒

鶴見さん取材風景2

まずは、普段飲みにもおすすめのお手頃な3000円未満の日本酒を選んでいただきました。気軽においしいお酒が飲みたいという方におすすめです。

出羽桜 桜花吟醸 火入れ 720ml

出羽桜 価格 1430円(税込)
産地/酒蔵 山形県/出羽桜酒造
種類(特定名称) 吟醸酒
精米歩合 50%
アルコール分 15度
鶴見高寛

・味わい
甘く感じると思います。りんごのような甘く華やかな香りも特徴。
・おすすめの飲み方
冷酒
・おすすめポイント
華やかな香りのお酒が好きという方におすすめです。フルーティーな吟醸香と爽快な味わいが評価されていて、マックスファクターの化粧品「SK-Ⅱ」の香りサンプルや英国王室御用達の老舗のワイン商「BB&R社」に日本酒として初めて採用されました。

卯月さん

キーワード:ふくよか、べたっと残らないスッキリした後味
お米の旨味がしっかり残っていて、とてもふくよかな味ですね。余韻が短くスッキリしているので、味が濃いめの料理と合わせやすい味です。常温より冷蔵庫でキリッと冷やして飲むのがおすすめです。

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浦霞 禅 720ml

浦霞 価格 2496円(税込)
産地/酒蔵 宮城県/浦霞醸造元
種類(特定名称) 純米吟醸酒
精米歩合 50%
アルコール分 15.4度
鶴見高寛

・味わい
フワッと少しだけ香るバランスの良い酒。甘くも辛くもないです。
・おすすめの飲み方
常温~ぬる燗
・おすすめポイント
この蔵元のロングセラー商品で、いろいろなコンペティションで受賞しているので安心して飲めます。日本醸造協会酵母の12号酵母が発見された蔵です。

卯月さん

甘くない、スタンダード、バランスがいい、キレがある、残らない
爽酒(そうしゅ)と呼ばれるスッキリとした味のお酒です。甘くなく香りも控えめで、キレがあるバランスが良いお酒なので、食中酒としてどんな料理にも合うと思います。夏であれば氷を入れて飲むのもよさそうですね。

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【3000~5000円未満】ちょっとがんばったご褒美に飲みたいおすすめの日本酒

次に、少しだけお値段は上がりますが、がんばったご褒美に飲みたい5000円未満の日本酒を選んでいただきました。


久保田 萬壽 720ml

久保田 萬壽 価格 4005円(税込)
産地/酒蔵 新潟県/朝日酒造
種類(特定名称) 純米大吟醸酒
精米歩合 33%
アルコール分 15度
鶴見高寛

・味わい
スッキリ目で上品に甘い。吟醸香が鼻を抜けて、全体的にはスッキリ飲めます。香りの余韻が心地良いです。
・おすすめの飲み方
冷酒
・おすすめポイント
1986年発売で深みのある味わいと香りの調和を追求した酒。よい麹造りをすることで膨らみや柔らかさが生まれます。それによって味わいと調和が取れる香りを引き出し、火入れ後の急冷によって上品な華やかさを実感できる酒になっているのです。久保田は「六寿」というシリーズになっており、この純米大吟醸の「萬壽」はシリーズ最高峰です。

卯月さん

キーワード:華やか、香り高い、まろやか、水みたいに飲める
華やかな香りとまろやかで深みのある口当たりのお酒です。お米を磨く割合が高くて希少なお酒なので、大切な人の誕生日や季節の行事、お祝い事の場面で飲みたいお酒です。

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醸し人九平次 彼の地 720ml

醸し人九平次 彼の地 価格 4003円(税込)
産地/酒蔵 新愛知県/萬乗醸造
種類(特定名称) 純米大吟醸酒
精米歩合 40%
アルコール分 16度
鶴見高寛

・味わい
柔らかな甘みと果実感のある苦み。洋梨やイチゴのような甘みと酸味を感じます。
・おすすめの飲み方
冷酒
・おすすめポイント
「彼の地」の由来は「人と同じように酒も歳を重ねます。あなたと一緒に歳を重ねたい。時と共に皆様を遥か彼方へお連れしたい」なんです。熟成させることで味わいは力強く余韻も長くなります。買ってすぐに飲むのもよしですが、とっておいて特別な日に飲むのもよしです。

卯月さん

キーワード:香り高い、アルコール度数が高い、温度で味が変化する、冷やして飲んだ方がいい
最初の飲み口はフルーツを思わせるような甘さですが、途中から徐々に苦味・渋味が出て、最後にアルコール感が喉を通りすぎていきます。冷やすとフルーティーさが際立ち、常温になると苦味・渋味とアルコール感が増すので、前菜からメインにかけて温度帯で変わる味わいを楽しんでみるのもいいかもしれません。

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【5000円以上】プレミア感抜群!おすすめの贅沢日本酒

続いて、かなりプレミア感のある5000円以上の日本酒を選んでいただきました。

贅沢したい日や少し特別な日に飲みたい日本酒です。

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 720ml

獺祭 価格 5390円(税込)
産地/酒蔵 山口県/旭酒造
種類(特定名称) 純米大吟醸酒
精米歩合 23%
アルコール分 16度
鶴見高寛

・味わい
華やかな上立ち香(うわだちか)と口に含んだときのきれいな蜂蜜のような甘み、飲み込んだ後口はきれいに切れていきながらも長く続く余韻。
・おすすめの飲み方
冷酒
・おすすめポイント
精米歩合23%という極限まで磨いた山田錦を使った、最高級の純米大吟醸。その道の「通」の人だけがわかる酒ではなく、誰が飲んでも旨い酒を目指しています。蔵元様のHPには美味しく飲む為のQ&Aコーナーがあります。是非一度見てほしいです。お盆や年末年始など人が集まるときに飲むのがよいと思います。

卯月さん

キーワード:雑味がない、初心者におすすめ、香りが高い、まろやか、ほのかに甘い
華やかな香りはもちろんのこと、雑味がなく透明感のある口当たりから、まろやかな甘みが口に広がります。飲んだ後はスッと切れるのではなく、繊細な味わいが贅沢に続くお酒です。価格は少し高くなりますが、日本酒になじみがない方でも無理なく楽しんでいただけそう。

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貴 純米大吟醸 雫搾り

貴 価格 5500円(税込)
産地/酒蔵 山口県/永山本家酒造場
種類(特定名称) 純米大吟醸酒
精米歩合 40%
アルコール分 16~17度
鶴見高寛

・味わい
通常、酒を搾る際には文字どおり圧力をかけて搾ります。搾った後に残るのが酒粕。溶け切らなかった米です。圧力をかければ少なからず雑味は出ます。この酒・雫搾りの場合は酒袋を吊るして垂れてくる酒を集めています。圧力がかかっていない酒なので雑味も極限まで少ないのです。
・おすすめの飲み方
冷酒
・おすすめポイント
蔵元の永山さんはヨーロッパのワイナリーを何度も訪ね、そのたびに酒造りにおける哲学の違いに驚かされたそうです(日本の蔵元は酒の作り方の話、ワイナリーの方たちは土や風土についての話が多い)。ワインの味を決める重要な土や環境であるテロワール。彼らの土地への情熱に感銘を受け、自身も日本酒におけるテロワールを求めて2019年に農業法人を立ち上げたほど。この「貴」はぜひハレの日・記念日・人が集まる時に飲んでください。贅沢なひとときになります。

卯月さん

キーワード:メロンっぽい、少しスパイシー、フルーツの香り
飲み口はメロンのような甘く華やかな香りと、折り重なった酸味が感じられます。清らかでいながら、奥深い味わいはストレスのない搾りからくるものですね。温度変化による違いもあるお酒なので、冷やした状態から常温になるときの味わいの変化を楽しめます。

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【おまけ】おすすめのお手軽カップ酒

カップ酒

もっともお手軽に日本酒を味わう方法として、今改めて注目を浴びているカップ酒。味がおいしいのはもちろんのこと、ラベルも個性的なものが多いのが特徴です。

店舗で数あるカップ酒の中から、おすすめの商品を選んでいただきました。ぜひ酒屋さんで探してみてください。

豊盃 特別純米 ねぷたカップ 180ml

豊盃 価格 364円(税込)
産地/酒蔵 青森県/三浦酒造
種類(特定名称) 特別純米酒
精米歩合 60%
アルコール分 15~16度
鶴見高寛

・味わい
味はほんのり甘く、華やかな香りも控えめです。
・おすすめの飲み方
冷酒~熱燗
・おすすめポイント
青森のねぷた祭りがラベルになっている見た目も楽しいカップ酒。知らないお酒を買うのは勇気がいりますが、180mlならすぐに飲み切れちゃうので安心です。辛口が苦手な方に。

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みむろ杉 純米辛口 露葉風 180ml

みむろ杉 価格 347円(税込)
産地/酒蔵 奈良県/今西酒造
種類(特定名称) 純米酒
精米歩合 65%
アルコール分 15.5度
鶴見高寛

・味わい
スッキリめの辛口で食事に寄り添うお酒です。酒単体で飲むよりもお食事と一緒にどうぞ。
・おすすめの飲み方
冷酒~熱燗
・おすすめポイント
スッキリとした酒なので、さっぱりしたお料理が好きという方におすすめ。食材の味がわかる薄い味付けの料理にとてもよく合います。

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【番外編】味ノマチダヤさんで買えるおすすめの日本酒

味ノマチダヤさん店舗風景

実は、日本酒の流通には、以下の2つのパターンがあります。

  • 問屋流通
  • 蔵元→問屋→酒屋・スーパーマーケット・コンビニエンスストアなど
  • 特約店制度
  • 蔵元→特約店の酒屋(地酒屋)

どちらの方法で仕入れているかによって、お酒の品ぞろえがかなり異なるのです。

味ノマチダヤさんのように酒蔵から直接お酒を仕入れる酒屋を「特約店」と呼び、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは手に入らないお酒を取り扱っています。

そこで、番外編として地酒屋で手に入る、味ノマチダヤさんおすすめの日本酒を2点ご紹介します。

天下錦 特別純米 7号酵母 おりがらみ

天下錦 価格 1518円(税込)
産地/酒蔵 三重県/福持酒造
種類(特定名称) 特別純米酒
精米歩合 60%
アルコール分 16度
鶴見高寛

・味わい
口当たりは瑞々しくフレッシュ。ほんのりシャープさを感じる飲み口に、じんわりと広がるふくよかでリッチな旨み。
・おすすめの飲み方
冷酒
・おすすめポイント
三重県の県知事賞を受賞しています。造り始めて3シーズン目ですでにかなり洗練されたレベルまできていて末恐ろしいです。まだまだ小さい蔵元で年間の生産石数は50石(一升瓶換算で5000本)と非常に少量。手に入る店も多くありませんがおすすめの酒です。

卯月さん

キーワード:キウイ味、甘め、微発泡、爽やか
生産量のほとんどを地元で消費されている少量生産の日本酒なので、私も飲むのははじめてでした。飲み口は、キウイや柑橘果実を思わせる香りで、微発泡のお酒です。このフルーツ感は何かに似ているな……と思って浮かんだのは杏仁豆腐。甘さと爽やかさがマッチした飲みやすいお酒です。

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無窮天穏 生酛純米吟醸 天雲

天雲 価格 1518円(税込)
産地/酒蔵 島根県/板倉酒造
種類(特定名称) 純米吟醸酒
精米歩合 60%
アルコール分 13度以上14度未満
鶴見高寛

・味わい
全体的にスッキリとした味わいの中に甘みがあります。
・おすすめの飲み方
常温~熱燗
・おすすめポイント
通常、スッキリとした酒は糖質の量も少なめなので舌が感じる味も少ないはずなのに、天穏は遠くに、でも確かに糖質を感じます。良い酒だと思います。

卯月さん

キーワード:常温だと酸味が強め、55度まで温めると酸味がとれてまるくなる
濃醇で酸味が強めです。常温や冷やすよりも温めて燗にすることで、酸味がまるくなるのでおすすめです。特に肉じゃがやすき焼きなどのこっくりした料理に合うと思います。

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鶴見高寛

味ノマチダヤ・鶴見さんからのメッセージ

若い方たちは酒屋というと少し入りづらいイメージもあるかもしれませんが、ていねいに要望をお聞きして、好みに合ったおすすめの日本酒をご紹介できますので、ぜひ酒屋にも足を運んでみていただけたらうれしいです。
地酒屋にしか置いていない銘酒もたくさんありますし、お酒が好きな方であればきっと楽しいはず!

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プレゼントにおすすめの日本酒3選

プレゼントにおすすめの日本酒

おめでたい日やお酒好きの人に日本酒をプレゼントする機会もありますよね。

そこで、贈り物にもおすすめのおめでたい日本酒をご紹介します。

開運 祝酒 特別本醸造 720ml

開運 価格 1100円(税込)
産地/酒蔵 静岡県/土井酒造場
種類(特定名称) 特別本醸造酒
精米歩合 60%
アルコール分 15.9度
鶴見高寛

・味わい
味の濃さはスッキリと濃いめのちょうど中間くらいで、酢酸イソアミルという静岡酵母を使用していて、全体的には爽やかな仕上がりです。
・おすすめの飲み方
冷酒~熱燗
・おすすめポイント
静岡吟醸という言葉の礎を築いた蔵元の一つ。能登杜氏の「波瀬(はせ)」さんの技術が受け継がれています。(波瀬さんは業界の有名人で能登杜氏四天王と言われる4人のうちのおひとり)ラベルには福をかき集める熊手が描かれていて縁起も良いです。

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福祝 辛口純米酒 播州山田錦70%磨き 720ml

福祝 価格 1540円(税込)
産地/酒蔵 千葉県/藤平酒造
種類(特定名称) 純米酒
精米歩合 70%
アルコール分 15~16度
鶴見高寛

・味わい
スッキリ辛口の純米酒。
・おすすめの飲み方
冷酒~ぬる燗
・おすすめポイント
日本名水百選にも名を連ねる久留里の銘水仕込みです。味わいも、濃すぎず薄すぎず丁度よいかと。こちらも名前がめでたいのでお祝いシーンにぜひ。

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来福 純米吟醸 愛山 720ml

来福 価格 1705円(税込)
産地/酒蔵 茨城県/来福酒造
種類(特定名称) 純米吟醸酒
精米歩合 50%
アルコール分 15度
鶴見高寛

・味わい
フルーティーな香りで辛口に仕上がっています。食事と一緒に楽しむのによいと思います。
・おすすめの飲み方
冷酒
・おすすめポイント
名前に「福」が入っていてめでたいです。ちなみにお米の名前が愛山なので「愛」も入っています。

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日本酒の専門家が教える!

おいしい日本酒を選ぶために知っておきたい基礎知識

日本酒を注ぐ様子

ここからは、卯月りんさんに日本酒の種類や旬など、日本酒選びで知っておきたい基礎知識について解説していただきます。

そもそも日本酒の定義とは?

日本酒の定義は「米・米麹と水を原料とし、発酵させてこしたお酒」です。
このように原料を酵母によってアルコール発酵させて造った酒を醸造酒と呼びます。

ぶどうを発酵させたワインや麦を発酵させたビールも同じ醸造酒です。アルコール度数は比較的控えめで、サワーと同じくらい低いアルコール度数の日本酒も存在します。

酒税法第3条第7号では、日本酒は「アルコール度数22%未満」と定められています。

日本酒の種類と特徴とは?

「吟醸」や「純米」など、原料や精米歩合などの要件を満たすものに「特定の名称」が与えられた日本酒を「特定名称酒」と呼びます。

特定名称酒は、水と米と米麹だけで造られた「純米酒」と、それらに加えて醸造アルコールが使用されている「吟醸酒」「本醸造酒」の3種類に大きく分けられます。

これらの特定名所酒は、以下のようにさらに8種類の名称に分類されます。

特定名称酒 名称 精米歩合 その他条件 味わいの特徴
純米酒 純米大吟醸酒 50%以下 吟醸造り、固有の香味と色沢が特に良好であること お米の甘さをしっかりと感じる、やさしい飲み口
純米吟醸酒 60%以下 吟醸造り、固有の香味と色沢が良好であること 華やかな香りと芳醇な味わいのコントラストを楽しめる
特別純米酒 特別な製法 香味や色沢が良好のもの 洗練された華やかさがあり、大吟醸や吟醸より米の旨味や風味を強く感じる
純米酒 規定なし 米の旨味や深いコクをもっとも味わえる
吟醸酒 大吟醸酒 50%以下 吟醸造り、固有の香味と色沢が特に良好であること 純米大吟醸よりもスッキリとした香りの高さを楽しめる
吟醸酒 60%以下 醸造り、固有の香味と色沢が良好であること フルーティでなめらかな口当たり
本醸造酒 特別本醸造酒 60%以下または特別な製法 香味や色沢が良好のもの スッキリとしてキレのある軽い飲み口
本醸造酒 70%以下 香味や色沢が特に良好のもの スタンダードな日本酒。常温、燗酒、冷酒など、さまざまな飲み方を楽しめる

「吟醸造り」とは、手間をかけて磨いた米を低温でじっくり発酵させる製法を指し、名前に「〇〇吟醸」と入る酒はすべてこの吟醸造りで造られます。

日本酒の味わいの感じ方は人にもよりますが、一般的には「吟醸酒」は華やかなお酒、「純米酒」はこっくりとしたお酒、「本醸造」はスッキリとしたお酒といえます。

特定名称酒は、以下のポイントで分けられています。

特定名称酒の分け方

  • 醸造アルコールが入っているか
  • 原料の米をどのくらい削っているか
  • 貯蔵される際に火をいれるかどうか

醸造アルコールが入っているか

ひとつ目のポイントは「醸造アルコールが入っているか」です。

日本酒の基本的な原料は、米・米麹・水ですが、中には醸造アルコールというおもにサトウキビを原料として発酵させた純度の高いアルコールを添加しているものがあります。醸造アルコールを少し入れることで、味や香りのバランスを整えます。

米・米麹・水のみで造られているものは「純米酒」、それに加えて醸造アルコールが入っているものは「吟醸酒」または「本醸造酒」になります。

原料の米をどのくらい削っているか

精米歩合

出典:酒小町

ふたつ目のポイントは「原料の米をどのくらい削っているか」です。これを測る数値を精米歩合といいます。

日本酒のラベルに「精米歩合40%」などの表記がされているのを見たことはないでしょうか。これは、米の60%を削って、残った40%の部分を使っているという意味です。

吟醸酒の精米歩合は60%以下、本醸造酒は70%以下と決まっています。

山口県を代表する日本酒・獺祭(だっさい)の「純米大吟醸 磨き二割三分」は、精米歩合23%まで米を磨いたお酒です。

削る部分が多い、すなわち精米歩合が高ければ高いほど雑味のないクリアな味わいのお酒になります。手間がかかっている分、値段も上がります。

反対に精米歩合が低い日本酒は、コクのある芳醇な味わいになります。

貯蔵される際に火をいれるかどうか

最後のポイントは「貯蔵される際に火をいれるかどうか」です。
「火入れ」とは日本酒を加熱させることで発酵をストップし、味わいをキープするための製造工程を指します。

通常のお酒は、貯蔵と出荷の前に二度火入れをしますが、一度だけ、もしくは一度も火入れされていないものもあります。

火入れ

出典:SAKETIMES

火入れ 特徴 保存方法
生酒 一度も行わない フレッシュで瑞々しい 冷蔵保存
生貯蔵酒 出荷前に一度行う フレッシュでふくよかな旨味
生詰め酒 貯蔵前に一度行う 爽やかで口当たりがまろやか
秋の「ひやおろし」も生詰
二回火入れ
(通常の日本酒)
貯蔵前と出荷前の計二度行う 直射日光を避けた冷暗所も可
※基本は冷蔵保存

火入れをしないものは「生酒(なまざけ)」と呼ばれ、フレッシュで瑞々しいお酒が多いです。冷蔵保存していても品質が変わりやすく、デリケートなお酒なので、開栓後はなるべく早く飲み切りましょう。

通常の二度火入れするお酒は、直射日光を避けた冷暗所であれば冷蔵庫でなくても保存が可能です。

とはいえ、季節によって温度変化があるので、基本的には冷蔵保存するのが安心でしょう。

日本酒の名産地は?

居酒屋などの日本酒のメニューを見ると、必ず書いてあるのが産地。米の名産地は日本酒もおいしいというイメージがある方も多いかもしれません。

日本酒には、地域によって味わいに違いや特徴があります。

日本酒が有名な地域

日本は南北に長いので、地域によって気候に大きな違いがあります。

日本酒は気温が低いと雑菌の活動が鈍くなるので、「寒造り」と呼ばれるように冬場を中心に造りが行われます。そのため、古くからある日本酒の名産地は、東北地方や甲信越地方の新潟県や長野県など寒い地方が多いです。

ただ、現在は兵庫県をはじめ、京都府、中国地方の広島県、九州地方の福岡県など、比較的温暖な西日本にも名産地があります。それは気候風土に合った酒造りを試行錯誤してきた結果でしょう。

日本酒の名産地

産地による味わいの特徴

寒い地方で造られる日本酒は、透明感のあるスッキリとした味に仕上がりやすいです。酒蔵の中の気温が低いと、酵母の活動はゆっくりになり、発酵もゆっくりと進むためです。搾った後も、低温の酒蔵の中では熟成が進みにくいので、結果として爽やかな味わいに仕上がります。

暖かい地方の日本酒は、旨味やお米の味が強いのが特徴です。造りの際に酵母が元気に働いて発酵が早く進むため、お米の味がたっぷり出てこっくりとした飲み口になります。

日本酒の旬とは?

同じ日本酒でも、それぞれの季節で味が変わります。

日本酒は基本的に一年に一度、冬場にしか造られません。そのため、冬に造った日本酒が春を越して、夏、秋と季節が変わるごとに味が変わります。

季節の酒は、そのときの気温や気候に合うのはもちろん、旬の食材や料理とも相性が良いものです。季節ごとにラベルの雰囲気も変わるので、柄や色合いで選ぶのも楽しいでしょう。

季節 特徴
味わいはやや甘みがあって、スッキリとした傾向。
ラベルには、桜などの花が描かれ、ピンク系の色合いが多い。春のお酒がリリースされる頃は、山菜やハーブなど香り高い食材との相性◎。
スッキリと爽快な辛口のお酒が多い。
花火や金魚の描かれたラベルが多く、涼しげな青や緑がよく使われる。合う料理は、同じくさっぱりとした生しらすや、わさびののった穴子の白焼きなど。夏場には氷を入れて飲むのもおすすめのスタイル。
味がのった濃くてなめらかなお酒が増える。
夏が過ぎて日本酒が外気と同じくらい冷たく冷えた状態で卸されるため「冷やおろし」と呼ばれる。
ラベルに描かれるのは、紅葉や稲穂。オレンジ、茶色、黄色が多い。すき焼きや肉じゃが、脂ののった鮭などと相性が良い。
フレッシュな味わいのお酒や、アルコール度数の高い原酒などが多くなる。一度も火入れせずに出荷されるお酒を「しぼりたて」と呼ぶ。
搾りたてのお酒は冬限定の雪の結晶が描かれ、水色、白の色合いが多い。新酒で香りが高いため、おちょこよりワイングラスで飲むスタイルがおすすめ。

日本酒の味わい

日本酒のパッケージや居酒屋などのメニューに記載されている「辛口+ / 甘口−」の数値は「日本酒度」といい、造り手が醸造のために使うものです。

「+」の数値が高いほど糖質が少なく辛口で、逆に「−」で表記されているものは糖質が多く甘口とされていますが、この度数はお酒を造る工程で異常がないか確認したり、搾りの作業の目安にしたりするものです。

日本酒度の高さだけで比べてみても、辛口を飲んでも甘いと感じる人もいるなど、味わいの感じ方は人によって変わります。

そのため、あまり甘口や辛口といった言葉にとらわれすぎず、さまざまな日本酒を試して好みの味わいを見つけていくのがよいでしょう。

日本酒の専門家が教える!

日本酒にまつわるQ&A

最後に、日本酒にまつわる素朴な疑問を卯月りんさんに伺いました。

こちらもぜひ参考にしてくださいね。

Q. 日本酒を飲むときはどんなおつまみや料理が合う?

A. 日本酒はお米から造られているので、基本的にご飯に合うものであれば、何でも合うと思います

また、日本酒自体発酵させたものなので、発酵食品の味噌やチーズや漬物系は合います。クリームチーズを味噌や酒粕であえたり、しば漬けや奈良漬けを入れたりするのもおすすめです。

海鮮系の塩辛が手に入ったときには、ぜひクリームチーズとまぜてください。ちびちび飲めるおつまみの出来上がりです。こういうつまみには純米酒などのしっかりしたお酒が合います。

逆に純米吟醸酒など華やかなお酒を飲むときには、モッツァレラチーズに、季節のフルーツ、生ハム、塩胡椒、オリーブオイルをかけた前菜がおすすめ。切ってあえるだけなので、時間もかからず(酒飲みには大事)手軽につくることができますし、旬の素材を楽しめるのでぜひ試してください。

日本酒とおつまみ

Q. 日本酒は種類によっておすすめの飲み方が違う?

A. 日本酒は種類によって、おいしく飲める温度の目安があります。

キンと冷えた冷酒から寒い冬にうれしい熱燗など、これほど幅広い温度帯で飲まれているお酒は、世界的にも珍しいです。

華やかな香りの高い吟醸酒は、冷やしすぎるとフルーティーな香りがなくなってしまうので10~15℃の少し冷たいくらいがベスト。

夏に店頭に並ぶスッキリとした生酒、スパークリングの日本酒、本醸造の日本酒はキンキンに冷やしたり、氷を入れてロックで飲むのが一番おいしい温度帯です。

日本酒飲み方

Q. 飲みかけの一升瓶など、残った日本酒の正しい保存方法は?

A. 基本的には「冷蔵庫で保存」と覚えておけば大丈夫です。

日本酒は、高温・温度変化・日光に弱いです。純米酒などは常温保存も可能ですが、それでも温度変化には弱いもの。エアコンで部屋の温度が変わる時期などもあるので、基本は「冷蔵庫で保存」と覚えておくのが安心です。

また、空気に触れると酸化しやすいので、必ず蓋を閉めましょう。

ただ、瓶内発酵している日本酒などは、開けたてから1~2日で味が変わってくることも。味の変化がおもしろそうな日本酒はあえて少しとっておき、次の日の飲み口の違いを楽しんでみるのもおうちで飲む醍醐味です。

日本酒保管

Q. 日本酒を楽しく飲むために気をつけた方がいいことは?

A. 二日酔いにならないためには、水を飲むことです。

まず、日本酒は空腹でアルコールを摂取しないように注意しましょう。空腹の状態で飲酒をするとアルコールの吸収速度が速くなるため、二日酔いになりやすいです。

飲んでいる最中は、飲んだ量と同じ量の水を飲みましょう。マメな水分補給はアルコールの分解を円滑に進めてくれます。特に日本酒は度数が15%前後とビールやサワーよりは高めなので、水を飲むことを忘れずに。

飲んだ後、そして飲んだ翌朝はまず水分をとりましょう。アルコールによって脱水症状がおきているので、起きがけにまずは水を。

また、アルコールの分解にはビタミン・ミネラルを使ってしまうので、オレンジジュースやフルーツなどで積極的にビタミンをとり入れたり、わかめやしじみの味噌汁でミネラルや肝臓機能をサポートするタウリンをとったりするのもおすすめです。

Q. 日本酒のサブスクリプションサービスって実際どうなんでしょうか?

A. 自宅で飲んだり、ホームパーティーをすることが多い方には便利なサービスです。

近頃の家飲みの需要に合わせ、月額制で月に1~2本、プロが選んだ日本酒が自宅に届く日本酒のサブスクリプションサービスが増えてきました。

日本酒初心者で何を最初飲んだらよいかわからないという方や、ふだん自分では選ばないようなお酒を楽しんでみたいという方にはマッチすると思います

サービスの値段や質も大事ですが、日本酒の味わいやパッケージの由来、どんなシチュエーションでどんな料理に合わせるといいのかといった解説など、自分にとって付加価値があるサービスを選ぶとよいでしょう。

最近では、日本酒にあう一品おつまみが付いてくるサービスもあるみたいですよ。

まとめ

日本酒の選び方やポイントをもとに、老舗地酒屋「味ノマチダヤ」の鶴見さんに初心者にもおすすめの日本酒を選んでいただきました。

気になる好みの日本酒は見つかったでしょうか?

引き続きおうち時間が長くなりますが、二日酔いに気をつけながら、ご自宅でおいしい日本酒を楽しんでくださいね。

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