メレンゲやスポンジケーキ作り、ホイップクリームの泡立てと、お菓子作りに活躍する電動ハンドミキサー。1台はもっておきたいけれど、使いやすいものはどれなのかわからず悩んでしまう人もいるでしょう。
この記事では、「お菓子教室スイートリボン」を主宰する製菓衛生師の隈部美千代さんハンドミキサーの選び方について教えてもらいました。ハンドミキサーの上手な使い方や、簡単レシピも紹介しているのでぜひ参考にしてください。

▼おすすめ商品を知りたい方はこちら

SELECTor

隈部美千代

製菓衛生師(厚生労働省認定)

隈部美千代さん

会社員時代に訪れたパリでフランス菓子に魅了され、洋菓子作りの世界へ。国内外で製菓、製パン、焼き菓子などを学び、2006年に「お菓子教室スイートリボン」を開業。これまで1万3000人以上に指導し、スイーツのレシピ本も数多く出版するほか、テレビ出演などメディアや雑誌でも幅広く活躍している。

本記事は、提携する企業のプロモーション情報が含まれます。掲載するサービス及び掲載位置に広告収益が影響を与える可能性はありますが、サービスの評価や内容などはyour SELECT.が独自に記載しています。(詳しくはAbout Usへ)

目次

お菓子作りのプロが教える!ハンドミキサーの選び方

ホイッパー(泡立て器)を使った手作業だと泡立てに時間がかかったり、泡立ちが不十分で失敗してしまったりといった経験がある方も多いのではないでしょうか。ハンドミキサーを使えば、誰でも短時間でしっかり泡立てることができ、お菓子の味がレベルアップします。
お菓子作りのプロである隈部さんに、初心者でも使いやすいハンドミキサーを選ぶポイントについて教えていただきました。

「お菓子作りに挑戦してみたいけれど、難しくて失敗しちゃいそうと思っている初心者さんにこそ、ハンドミキサーを使ってみてほしいです」

「お菓子作りに挑戦してみたいけれど、難しくて失敗しちゃいそうと思っている初心者さんにこそ、ハンドミキサーを使ってみてほしいです」

速度調節機能は3段階以上のものを選ぶ

お菓子によって最適な泡立て方は異なります。高速で泡立てた方がいいものもあれば、ゆっくり泡立てた方がいい場合もあります。
例えば全卵は高速だと早く泡立ちますがきめが粗くなり、低速だと泡立ちに時間がかかりますがきめを細かくすることが可能です。 全卵を泡立てるときは、はじめに高速で泡立てて大きな泡を作り、そのあと低速できめを整えると短時間で上手に仕上がるでしょう。
レシピや作るものによって泡立て方も違ってくるので、3~5段階程度速度の調整ができた方がいろいろなメニューに対応できて便利です。

5段階の速度調整機能に加え、ターボボタンが付いている機種も

5段階の速度調整機能に加え、ターボボタンが付いている機種も

使いやすいサイズ、重さのものを選ぶ

ハンドミキサーのサイズはコンパクトなものから大きめのものまでさまざま。重さは1kg前後が主流です。
卵1~2個を泡立てる程度なら、重さはそれほど気にならないかもしれません。ただロールケーキなど一度に卵4~5個の泡立てが必要なお菓子を作るときや、長時間使用する場合は、わずかな重みの差が負担になり、腕が疲れてくることも。作るお菓子の種類や分量によって使いやすい重さを考えて選ぶといいでしょう。
軽すぎても安定感がなく使いづらい場合があるので注意が必要ですが、お子さんと一緒にお菓子作りをするなら、コンパクトで軽い製品を選ぶのがおすすめです。

「どんなお菓子を作るかによって使いやすいものは変わります」

「どんなお菓子を作るかによって使いやすいものは変わります」

定格時間を確認して選ぶ

定格時間はハンドミキサーがどのくらい連続使用できるのかという目安のことで、選ぶときの大事なポイントです。ホールケーキやロールケーキなど、大きなもの作るときは使用時間も長くなります。ハンドメイドライフをイメージして作業量・使用時間に比例したものを選ぶのがおすすめです。

卵や生クリームの泡立て時間によって選ぶ

ご自宅でのお菓子作りでは、おもに卵や生クリームの泡立てにハンドミキサーを使用します。30秒ですばやくメレンゲが作れるのか、1分たってもふんわり泡立たないのか、ハンドミキサー選びにおいて、泡立てに要する時間は大きな判断ポイントです。
製品レビューで、泡立てに時間がかかるという意見が多い場合は避けた方がいいかもしれません。こちらの記事では泡立ちを検証しているので参考にしてください。

すばやく泡立てられるものを選ぼう

すばやく泡立てられるものを選ぼう

ビーターの形状や音にも注目

ビーターは食材に直接当たって泡立てる部分。ビーターの形状によって泡立ち方などが変わってきます。形状はメーカーによって違いがありますが、よく使われている下の画像のようなタイプは泡立ちも早く、初心者でも使いやすいでしょう。クッキーやケーキなどの生地を混ぜる用、メレンゲや生クリーム用、といったように用途によってビーターを付け替えて使う機種もあります。

左はワイヤービーター、右はバルーンウィスクタイプ

左はワイヤービーター、右はバルーンウィスクタイプ

また、音の大きさも機種によって違ってくるので、静かな方がいいという人は静音設計をうたっている機種を選ぶのもよいでしょう。

お手入れの手軽さと収納方法で選ぶ

ビーターの多くは取り外しができます。手で引き抜いて外すタイプなどもありますが、ボタンを押してワンタッチで外せるタイプならお手入れが手軽にできます
また、すっきり収納したい場合は専用ケースがあると便利です。買ってきた箱のまま食器棚の奥にしまうのではなく、コンパクトに収めて取り出しやすいところに置いておけば、活躍の場面も広がります

このようにコンパクトに収納できる専用ケースがついていると便利

このようにコンパクトに収納できる専用ケースがついていると便利

ハンドミキサーの選び方|ポイントまとめ

ハンドミキサーは作るお菓子の種類や分量によって使いやすいものが変わってきます。使用する時間や泡立てやすさ、お手入れのしやすさなどを複合的に考えて自分に合ったものを選びましょう。選び方のポイントをまとめました。

  • 速度調節機能は3段階以上のものを選ぶ
  • 使いやすいサイズ、重さのものを選ぶ
  • 定格時間を確認して選ぶ
  • 卵や生クリームの泡立て時間によって選ぶ
  • ビーターの形状にも注目
  • お手入れの手軽さと収納方法で選ぶ

お菓子作りのプロが教える!ハンドミキサーの使い方

誰でも簡単に使えるイメージがあるハンドミキサーですが、上手に使いこなすコツはあるのでしょうか。隈部さんにメレンゲを上手に泡立てる方法や、飛び散りを防ぐポイント、ハンドミキサーを使用する際の注意点などを教えていただきました。

メレンゲを上手に泡立てる方法

卵白の温度が低い方が目の細かいメレンゲが作れます。温度が低いと泡立ちが悪くなりますが、ハンドミキサーを使えばしっかり泡立てることができるので、冷蔵庫から出してすぐの卵白を使用するとよいでしょう。

注意したいのは、ボウルやビーターがきれいに洗浄されているかどうかです。水分や油分が付いていると卵白は泡立ちません。汚れていたら洗って、水分はしっかりふき取るようにしましょう。スイッチを入れたらハンドミキサーの回転だけにまかせるのではなく、手も一定の速度で同じ方向に円を描くように回すと、きれいなきめ細かいメレンゲに仕上がります。また、慣れていないと余計な力が入って肘や肩が上がり、筋肉痛になってしまう方もいるので、肩の力を抜いてリラックスしながら作業するのもポイントです。

隈部さん7

「肩や肘に余計な力を入れないようしましょう」

飛び散りを防ぐポイントと注意点

ハンドミキサーを使用するときは、利き手にハンドミキサー、もう片方の手でボウルをしっかり押さえて使用しましょう。浅型よりも深型のボウルの方が飛び散りを防げます。ボウルに対してのビーターを当てる角度も重要。ボウルをほんの少し自分の方に傾けて、ボウルに対してビーターを垂直に当てると飛び散りが少なくてすみます
また、テーブルの上にじかにボウルを置いてしまうとボウルが不安定になってしまうので注意が必要です。ボウルの下にぬれた布巾を敷くことでボウルが安定します。何かの拍子にボウルから手を放してしまっても、ボウルがぬれ布巾で固定されているので安心です。もしぬれ布巾がなかったら、ハンドミキサーと一緒にボウルがくるくる回るなどして、床に落ちてしまったり、回っているハンドミキサーに手が触れてケガをしてしまう危険もあります。

メレンゲの泡立て方

使用する際は必ず下にぬれ布巾を敷くようにしよう

ビーターをボウルに入れてからスイッチをオン、作業が終わったらオフにしてボウルから離すのも忘れてはならないルールです。スイッチを入れたままボウルから離してしまうと、回転するビーターから食材が周りに飛び散ってしまいます。うっかりして多くの人がやってしまうことなので気をつけましょう。

ハンドミキサーを活用したレシピ

マカロンの原型といわれるイタリアのお菓子アマレッティの作り方を隈部さんに教えていただきました。
ハンドミキサーを使ってメレンゲを作ったら、アーモンドパウダーを加えるだけの簡単レシピです。あっという間にカリカリのおいしいクッキーができあがります。ぜひチャレンジしてください。

アマレッティ 30個

アマレッティ レシピ

材料(30個分)

  • 卵白:35g(卵1個分)
  • グラニュー糖:50g(※上白糖、三温糖、きび砂糖などでも代用可)
  • アーモンドパウダー:100g
  • アーモンド(生):30粒
  • 粉砂糖:適量

下準備

  • アーモンドパウダーはふるう
  • オーブンは160℃に予熱する

作り方

1. ボウルに卵白を入れてハンドミキサー(中速)で泡立てる。角が立つくらいに泡立ったらグラニュー糖の1/3を加えてさらにハンドミキサーで泡立てる
泡立てる 2. 残りのグラニュー糖を2回に分けて加え、都度ハンドミキサーで泡立てる。グラニュー糖の量が多いので、ねっちりとしたメレンゲができあがる
さっくり混ぜる
混ぜる
3. ふるっておいたアーモンドパウダーを加え、ゴムベラで粉気がなくなるまで混ぜる
スプーンですくう 4. スプーンですくって、オーブンシートを敷いた天板に落として並べる。スプーンや指に水を付けると生地がはずれやすくなる
粉砂糖をふる 5. 生地の表面に茶こしを使って粉砂糖をふる
ナッツ追加 6. 中央にアーモンドをのせて160℃のオーブンで20~25分程度焼く
焼き上がり 7. 焼きあがったらオーブンシートのまま網にとって冷まして完成!

アマレッティの作り方の動画を隈部さんがYouTubeにアップしてくださいました(https://youtu.be/IozNI2Zj0RE)。動画の方も参考にして作ってみてください。

ハンドミキサーに関するよくある疑問Q&A

ハンドミキサーについての気になる疑問について、隈部さんにお答えいただきました。

隈部さん3

「ハンドミキサーを活用すれば、家庭で誰でも本格的なスイーツ作りが楽しめます」

Q. ハンドミキサーとハンドブレンダーの違いは?

A. ハンドミキサーはお菓子作り、ハンドブレンダーはおもに料理に向いているので、どのように使いたいかによって選びましょう。

利用方法 向いているもの
ハンドミキサー 液体に空気を含ませて泡立てる お菓子作り
ハンドブレンダー 材料を粉砕したり混ぜる 料理(離乳食など)

ハンドミキサーは液体に空気を含ませて泡立てるためのものです。ハンドミキサーで卵白を泡立てると、みるみるふくらんで量が増えたように見えますが、それは卵白が空気をたっぷり含んだから。泡が白いほど空気がたくさん入った証拠です。
泡立て以外では、バターやクリームチーズを練る作業にも使えます。これもお菓子作りでは大変な作業のひとつですが、ハンドミキサーがあればバターやクリームチーズがダマにならず、なめらかな生地に仕上げることができます。

一方でハンドブレンダーは材料を粉砕したり、混ぜるのが得意です。手軽にみじん切りにしたりペースト状にできるので、ふだんの料理はもちろん、離乳食や介護食を作るときにも便利です。

Q. ホイッパー(泡立て器)とハンドミキサーでは作り方が変わる?

A. 前述のように、目の細かいメレンゲを作るには卵白の温度が低い方がよいのですが、卵白は温度が低いと泡立ちが悪いため、ハンドミキサーがなく、ホイッパーでメレンゲを作る場合は、泡立ちが不十分になるため卵白を温めてから作ります
ちなみにハンドミキサーを買うタイミングで悩む方もいるかもしれませんが、例えばホットケーキミックスを混ぜてホットケーキを焼いたり、クッキー生地を作る程度なら泡立て作業もないのでホイッパーでも大丈夫だと思います。でもふわふわのスポンジケーキやシフォンケーキを作るときは生地に空気を含ませるために泡立て作業が必要になってくるので、ハンドミキサーがあった方がよいです。本格的なお菓子作りをしたいなら、ぜひ早いうちに使ってほしいです。

隈部さん2

「ハンドミキサーがあるとないとでは、お菓子の質に劇的な差が出ます」

まとめ

  • 速度調節機能は3段階以上あると使いやすい
  • サイズや重さ、定格時間は作るお菓子の種類や分量に合ったものを選ぶ
  • ビーターの形状にも注目
  • 卵や生クリームの泡立て時間もチェック
  • お手入れ・収納がしやすいものを選ぶ
  • 飛び散りを防いで安全に使うために、ボウルの下にぬれ布巾を敷く
  • ハンドミキサーの回転だけにまかせるのではなく、手も一定の速度で同じ方向に円を描くように回すと、きれいなきめ細かいメレンゲに仕上がる

1台あればお菓子作りがはかどること間違いなしのハンドミキサー。自分に合ったものを選んで、おうちでのお菓子作りを楽しんでくださいね。

▼おすすめ商品を知りたい方はこちら

SHARE

このページをシェアする

Copied

LINE公式アカウント