ツーリズム別府大使・脇あかりさんおすすめ！おんせん県ならではの入浴剤からファッションアイテムまで、大分県の厳選クラフト3選

大分県豊後高田市 【MIKAI BAMBOO】竹のアクセサリー
「別府竹細工」の技術で新たな世界を切り拓く

大分県は全国でも有数の竹の産地で、真竹の生産量は日本一を誇ります。良質な素材が採れたことから、古くから竹細工製品が日用品として親しまれてきました。特に、別府市を中心に作られている「別府竹細工」は長い歴史と伝統をもち、国の伝統的工芸品にも指定されています。

そんな大分県が誇る竹細工の技術で、新しい挑戦をしているのがアクセサリーブランドの「MIKAI BAMBOO（ミカヰバンブー）」です。ブランド名には「未開の世界を切り拓き、新しい幸せを。」という意味が込められています。

デザイナーの麻生あかりさんは兵庫県出身。日本の伝統技術に関心の高かった麻生さんは、別府市にある「大分県立竹工芸訓練センター」で別府竹細工の知識と技術を身につけ、卒業後は竹の産地として有名な豊後高田市に工房を構えました。麻生さんは自ら山に入り、ご自身の目で選び抜いた竹を切り出すところから作品づくりをされています。そこから一本一本ていねいに細い「竹ひご」に加工して、アクセサリーやアート作品を編んでいきます。
別府竹細工の技術を基本にしながら、素材のもつ面白さや新しい楽しみ方を提案する麻生さんの作品は、日本を越えて海外でも高い評価を得ています。

脇あかりさん

別府竹細工は生活工芸品として、市民の暮らしに根付いているもの。私も竹細工体験で花かごづくりに挑戦したことがありますが、とっても編むのが難しくて、ピーンと張った竹ひごが折れそうで苦戦した記憶があります。天然の竹が、こんなにも繊細なアクセサリーになるなんてすごいですよね。竹のアクセサリーは以前から愛用していて、浴衣や着物に合わせると素敵なんです。このアクセサリーは、色もとてもきれいですが、ナチュラル素材なので変に浮くことなく、肌になじんでくれる印象があります。男女問わず着けられるというところも魅力のひとつですよね。

伝統的な「たが編み」の技術を用いたリングとバングル

まずご紹介するのは「TAGA RING 漆仕上げ」と「TAGA bangle」。竹細工の伝統的な編み方である「たが編み」を採用したアクセサリーです。竹の温もりとやわらかい曲線美が特徴で、ジャパニーズモダンな雰囲気を醸し出します。
シンプルなデザインながら、指先や手首にひとつつけるだけで独特の存在感を放ち、それでいてカジュアルからモードまで、どんな装いにもマッチするところが魅力です。

色と編み目を引き立たせるために、仕上げには漆を使用。美しい半艶の質感が、手元を上品に演出してくれます。
カラー展開はリング・バングルともに、赤・黒・スミ・金茶・緑の5色。
リングのサイズはS（9号相当）・M（11号相当）・L（13号相当）・LL（15号相当）、バングルのサイズはS（内径約6.5cm）・M（内径約7cm）・L（内径約7.5cm）から選べて、サイズオーダーも可能です。

全てが一点もので、自分へのご褒美にも、贈り物にもぴったり

MIKAI BAMBOOのアクセサリーは全てが手作りで「世界にひとつだけ」の一点もの。竹は一本一本の質感や形が異なるため、作られる作品も少しずつ表情が違います。
また、使っていくうちに色に深みが出て、経年変化も楽しめます。

丈夫で軽い素材なので、着用のストレスがなく、まるで着けていることを忘れてしまうほど。「TAGA RING 漆仕上げ」や「TAGA bangle」はシンプルなデザインなので性別や年齢問わず身に着けられ、自分へのご褒美にも、大切な人へのプレゼントにもぴったりです。

竹細工の基本は多くの竹ひごを用いて編んで立体を形成しますが、こちらの「ICHI」（※）は一本の竹ひごからできています。しなやかさと艶を表現するために、竹ひご一本でいくつもの曲面が現れるように、オリジナルな編み方を開発したそう。仕上げには漆を塗って、艶を引き立たせています。繊細で複雑な構造で、見事に竹の美しさを表現したブランドを代表する作品の一つです。

※ピアスとイヤリングがあります

別府竹細工の伝統を継承しながら、新しいものづくりを実現している「MIKAI BAMBOO」。これからも竹の可能性を広げ、新しい世界を見せてくれそうです。

What is this feature?

大分県の伝統工芸品「別府竹細工」とは？

別府竹細工の歴史は深く、伝承によれば1世紀ごろ、景行天皇が別府で良質な竹を見つけ、かごを作ったことが起源とされます。室町時代には行商用の竹かごが作られ始め、市場が形成されました。江戸時代、日本有数の温泉地としてその名が知られるようになった別府。湯治客が竹製のかごやざるなどを使用したことで、お土産品として竹細工が定着し、別府の産業として発展を遂げます。8つの基本的な編み方があり、それらの組み合わせで200種類以上のパターンを作り出すこと可能。今では、巨匠から新進気鋭の職人まで、多くの竹工芸作家がおり、毎日の暮らしに根付くものから、ファッションアイテム、空間を彩る芸術品まで、さまざまな作品が生み出されています。

写真提供：別府市

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MIKAI BAMBOO

竹のアクセサリー

参考価格： ¥8,800〜(税込)

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大分県の真竹を使用し、手作りで制作されているプロダクトたち。全てが世界にひとつだけのオリジナル作品です。竹は丈夫で軽い素材なので、身に着けていてもストレスがなく、性別や年齢を問わず長く愛用できます。自然のぬくもりと美しさが感じられ、自分用はもちろん、贈り物としてもおすすめです。

※写真上から時計回りに

TAGA bangle	各¥22,000（税込）
ICHI（イヤリング）	¥24,200（税込）
TAGA RING 漆仕上げ	各¥8,800（税込）

大分県別府市 【HAA】HAA for bath 日々（5個）ギフトボックス
鉄輪温泉（かんなわおんせん）の湯治文化から生まれた入浴剤

大分県の別府八湯（別府市にある8つの温泉郷の総称）のうちの一つに、鉄輪温泉（かんなわおんせん）があります。「HAA（ハー）」は、古くから湯治文化が根付く鉄輪温泉から生まれたライフスタイルブランドです。

鉄輪温泉の歴史は古く、鎌倉時代に時宗の開祖である一遍上人（いっぺんしょうにん）が開拓し、湯治場をつくったといわれています。江戸時代には、鉄輪温泉の名物「蒸し湯」が有名となり、さまざまな病を治す湯治場として多くの人々が訪れ、温泉の蒸気を利用した地獄釜で蒸し料理を自炊しながら長期滞在する旅人もいました。そして現在も長期滞在ができる「湯治宿」が残っており、心と身体を休める場所になっています。
しかし仕事に家事に忙しい現代社会では、定期的に温泉宿に行くのはなかなか難しいもの。そこでHAAは、どこにいても湯治を日常に取り入れられるような、現代のための湯治プロダクトを提案しています。

脇あかりさん

大分のお土産コーナーで初めて見たとき、「こんなおしゃれな入浴剤があるなんて！」とびっくりしました。私が購入したのはブルーのボックスでしたが、入浴剤が包まれている紙にちょっとしたエッセイが書かれているんです。それをお風呂の中でリラックスしながら読むと、メッセージがすっと心に入ってきます。3種類のテーマから選べるというのも面白くて、癒やしを届けたい方へのお土産や、贈り物にぴったりなアイテムです。

贈りたい気持ちを代弁する3つのテーマ

HAAのミッションは、呼吸が浅くなりがちな現代社会で、「日常に、深呼吸を届ける」こと。
今回ご紹介するのは「大切な人へ贈りたい気持ち」に合わせてテーマを選べる、“言葉”に包まれた入浴剤。約5回分のHAA for bath（無香料）がセットになっていて、全部で3種類あります。それぞれ緑・青・ピンクのテーマカラーに分かれていて、ポジティブな気持ちを贈る「あたらしい風」（緑）、労わる気持ちを贈る「雨上がりの空」（青）、あたたかい気持ちを贈る「ささやかな愛」（ピンク）から選ぶことができます。

入浴剤が包まれた紙には、それぞれのボックスのテーマに合わせた短いエッセイが書かれています。ふと、誰かの何気ない言葉に勇気づけられたり、心があたたかくなったり、思わず笑ってしまったり。入浴剤を包む紙に綴られた「心温まる文章」が、お風呂の中で「は〜」っと呼吸を深める時間を与えてくれます。一枚ずつ文章が違うので、今日はどんなお話かな？と、お風呂時間が楽しみになります。

上質なギフトボックスは、ディスプレイしても違和感のないデザイン。お気に入りの本のように、3つ並べて飾りたくなります。「今日はお風呂でリラックスしたい」なんて日は、そのときの気分で包み紙の色やタイトルで選ぶのも楽しい体験に。

自宅のお風呂がまるで天然温泉に

「HAA for bath」の原料となっているのは、別府温泉で350年ほど前から作られている湯の花。別府の山で採れた希少な青粘土と温泉ガスが作用してできる“温泉の結晶”です。湯の花は自然にできるものではなくとても繊細で、夏場で40日以上、冬場では60～70日の時間をかけて、職人が大切に育てあげ、作られます。
この「別府湯の花」由来の成分とアルカリ性の温泉成分を絶妙なバランスで掛け合わせることで、天然ミネラルを含みつつ肌ざわりがやさしくなめらかな湯質を実現しています。

お湯に入れると、白くにごり、ぬるぬる、とろりとしたお湯になります。お湯に含まれるミネラル成分が皮膚の表面をやさしく覆い、熱の放散を防ぐため、入浴後も体がポカポカな状態が続きます。
効能は冷え症・荒れ性・神経痛・リウマチ・しもやけ・ひび・あかぎれ・打ち身・くじき・肩のこり・腰痛・痔・あせも・しっしん・疲労回復・産前産後の冷え症・にきびなど。

風呂釜や浴槽をいためてしまう原因となる硫黄を含まないため、自宅のお風呂でも安心して天然温泉気分を楽しめます。

香りはあえての無香料。生後3ヶ月以上の赤ちゃんや妊婦さん、高齢の方まで、誰でも使いやすいようにという想いが込められています。
毎日忙しく過ごしていると、呼吸が浅くなっていることに意外と気づかないもの。がんばっている自分へ、また大切な誰かへ、は〜っと深呼吸できるひとときを。

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HAA

HAA for bath 日々（5個）ギフトボックス

参考価格： ¥各3,300(税込)

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別府の湯の花由来の天然成分を配合した入浴剤。包み紙には「ささやかな愛」「雨上がりの空」「あたらしい風」の3テーマから選べる心温まるエッセイが綴られています。箱を開けると現れる、包み紙のきれいなグラデーションに心がぱっと明るくなります。

大分県国東市 【青木本店】七島藺（しちとうい）のサンダル
国東（くにさき）市のみで生産される七島藺の歴史を未来へつなぐ

七島藺（しちとうい）は、大分県国東（くにさき）半島を中心に栽培されてきた、非常に丈夫で独特の風合いをもつカヤツリグサ科の植物です。通常の畳に使われる「イ草」とは種類が異なり、断面が三角形で繊維が強く、摩耗に非常に強いことが特徴です。

元々は屋久島と奄美大島の間に点在するトカラ列島で自生していた七島藺。沖縄では古くから敷物や琉球畳として使用されていました。大分県に持ち込まれたのは、1663年に府内藩（大分市）の商人が持ち帰ったのが始まりといわれています。その後、年数を経て全国に広がり、1960年ごろまでは県下で20,000戸ほど栽培していましたが、その数は年々減少。現在栽培しているのは全国でも国東市のみで、生産農家は数軒になりました。

栽培は機械化が難しく、手間暇がかかります。そのうえ草の断面が三角形のため製織（糸から織物をつくること）の自動化も困難で、熟練を要する手織り作業を行っており、職人の数も激減しています。

青木本店は1902年（明治35年）の創業以来、120年以上に渡り青表※問屋として歩み続けている会社です。このままでは七島藺の歴史が途絶えてしまう、この伝統をなんとかして守りたいという強い想いから、七島藺を使用した履き物づくりを始めました。

※イ草や七島藺で織られた畳の表面部分

脇あかりさん

県外の方にはあまり知られていないかもしれませんが、大分県民にとって七島藺は、割と聞きなじみのある植物です。私はミサンガやランチョンマットなどももっています。こちらのサンダルはデニム素材が可愛くて、カジュアルな服装に合わせやすいところがおすすめ。さっと履いてすぐに出かけられるので、夏場に大活躍しそうです。七島藺特有の、若草のようなやさしい香りに癒やされますよ。

耐久性・通気性に優れ、快適な履き心地

七島藺は、一般的なイ草の約5〜6倍の摩擦強度をもつといわれており、昭和期には柔道畳に多く使用されてきました。摩耗に非常に強いため、履き物に使うと擦り切れにくく、形崩れしにくいというメリットがあります。

イ草の内部はスポンジ状になっており、湿気を吸収・放出します。七島藺は特にその働きが強く、足裏が蒸れにくいのが特徴。足裏に接する面が凹凸の編み目になっているため、べたつき感もなくとっても快適。特に夏場に履く七島藺サンダルは格別で、さらっとした感触がやみつきになります。

また、繊維が太くコシがあるため、踏んだときにしっかりしたハリ感・自然な弾力があり、素足にとても気持ちよい質感です。

アウトソールには、程よい硬さ＆滑り止め加工がされたゴム底が使用されています。とっても軽量なので長時間履いていても疲れにくく、ストレスフリーな履き心地を実現しています。

デニムを使ったデザインで日常使いしやすい

青木本店では、カリプソサンダルや雪駄など、形も布の種類も異なるさまざまな履き物が販売されています。今回ご紹介するのは、デニムを使用したサンダルの2種類。
デニム地なので、カジュアルなスタイルに合わせやすく、日常づかいにぴったりです。
かかと部分に少し厚みがあり、ちょっとしたスタイルアップ効果も期待できて、足裏への衝撃も抑えてくれます。

シンプルなデザインのサンダルは、靴下とのコーディネートを楽しむのもあり。合わせる色や柄によって、印象を変えることができます。素足だとちょっとカジュアルすぎる場合も、靴下を合わせることでおしゃれな雰囲気をプラスすることも可能です。

七島藺のサンダルは、とても軽くて丈夫なので、日常づかいだけでなく、旅行にもって行くのにも重宝しそう。一度履いたらやみつきになる、職人の技と伝統が詰まった極上の履き心地をぜひ体験してみてください。

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青木本店

七島藺（しちとうい）のサンダル

参考価格： ¥3,960(税込)

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通気性に優れ、べたつき感もなく快適な履き心地のサンダル。履けば履くほど足になじんでいくところも魅力です。布部分はデニム素材なので、カジュアルな服装との相性◎。希少な七島藺を使用して、職人の技術を生かした手仕事ながら、¥3,000台というお得な価格にも注目です。MとLの2サイズ展開。

（右）サンダル デニム 寄せ草	¥3,960（税込）
（左）女性用クロスサンダル 寄せ草 デニム 白ゴム底仕様	¥3,960（税込）

脇あかりさんが思う、大分県のものづくりのこれから

別府温泉や由布院温泉をはじめ全国屈指の温泉地が点在し、四季折々の自然とともに癒やしの時間を楽しめます。温泉だけでなく、海の幸・山の幸も豊富！ 関アジや関サバ、豊後牛、カボスや椎茸も全国的に有名です。私のおすすめは郷土料理のだんご汁とやせうま（だんご汁のだんごにきな粉と砂糖をまぶして食べるスイーツ）！大分に行ったらぜひ食べてみてください。

大分県のものづくりは、歴史や伝統の技術を継承しながら、現代のライフスタイルに合わせて進化しています。たとえば畳の原料として使われていた七島藺は、今ではランチョンマットやサンダルに姿を変えて、その伝統を未来へとつなごうとしています。別府竹細工はかごなどの生活工芸品から、繊細で美しいアクセサリーに。そのように進化して新しい価値を見出すことで、若い世代の方にも身近なものになっていると感じます。
これからも歴史やその土地の文化を大切にしながら、新しい感性が融合するものづくりが発展していくことを期待しています！

撮影／wacci　文・編集／豊泉陽子