「ニッポン、地方のいいモノ」特集の第2回は、日本の総面積のおよそ20%以上を占める広大な大地に、手つかずの大自然、豊富なグルメや温泉などで都道府県魅力度ランキングでは2009年から16年連続で1位に輝いている北海道。北海道観光大使を務める、フリーアナウンサーの青山千景さんが北海道の魅力的なアイテムを紹介してくれます。

北海道の青山千景さん

SELECTor

青山千景

北海道観光大使/フリーアナウンサー

青山千景さん

北海道を中心にテレビCMやラジオCM50本以上に出演実績をもつフリーアナウンサー。2017年に北海道観光大使として任命される。これまでに取材などで北海道の全市町村めぐりを2周以上。各市町村の町おこしに関わる研修や講演依頼も多い。北海道の「食」と「観光」のアドバイザーや、 北海道立農業大学校の非常勤講師も務める。

北海道のローカルクラフト3選

YOUSUN/コーヒーメジャースプーン MOKA/くしろ魚網シリーズ Aobato/手ぬぐいシリーズ
熊のメジャースプーン くしろ漁網 手ぬぐい
定番の熊の木彫りをかわいらしくアレンジ タオルやタワシに。漁網を日用品にアップサイクル 北海道の美しい情景をプリント
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Craftsmanship
in this Prefecture

北海道の伝統産業

北海道の伝統産業とものづくりの魅力とは?

北海道の名産品といえば新鮮な魚介類や農産物のイメージが強いですが、先住民族であるアイヌの人々は古くから固有のものづくり文化を形成していました。彼らは厳しい自然環境の中、木や毛皮などを利用して生活に必要なさまざまな道具を自作するだけでなく、独特の文様をかたどった木彫りや刺繍の技術も発展させていました。北海道の民芸品として広く知られている木彫りの熊もこうしたアイヌ文化と無縁ではありません。また近年は、森羅万象には全て魂が宿っているとして敬い、自然と共生しながら暮らした彼らの文化があらためて注目されており、次世代に継承する動きも活発になっています。

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目次

北海道函館市【YOUSUN】コーヒーメジャースプーン
伝統的な土産品をかわいらしくアレンジ

函館市恵山で生まれた、愛らしい木のぬくもり。それは木彫り作家「YOUSUN(ヨウサン)」さんが手がける、伝統的な木彫り熊をモチーフにしたスプーンです。

YOUSUNこと笹田陽さんが木彫りを始めたのは2022年のこと。雑誌でさまざまな木彫り作家さんの作品を目にしたのがきっかけでした。中でも笹田さんが心を奪われたのは北海道八雲町の木彫り熊。おなじみの「鮭をくわえた熊」ではない、自由な発想のデザインがたくさん紹介されており、すっかり魅了されてしまったそう。すぐに「八雲町木彫り熊資料館」を訪れ、文化や作品について深く学んだ笹田さん。自宅の庭の木の剪定で出た枝を使って、見よう見まねで熊のスプーンをつくってみたのだとか。その後も、木彫りの作家さんのところに話を聞きに行くなどして技術を磨き続け、そのかわいらしい作風が少しずつ人気を集めるように。手にした人を笑顔にする、YOUSUNさんの作品。ぜひあなたの暮らしにも取り入れてください。

青山千景さん

青山千景さん

北海道のお土産といえば鮭をくわえる木彫りの熊をイメージされるのでは? 実は彫れる方も少なくなってきており今では貴重で高価なものも多々あります。そんな中、気軽に日常に取り入れやすいメジャースプーンが今話題です。函館産のクルミやクリの木からできており、ポーズはバンザイと逆立ちの2種類。一つ一つの表情が違うのでお気に入りを見つけてみてください。

北海道産のクリとクルミの木を使用。木材ならではの温もり感

北海道産のクリとクルミの木を使用

柄の部分が熊の形をしたコーヒーメジャースプーンです。ポーズは「バンザイ」と「逆立ち」の2種類。愛らしくコーヒー豆をすくおうとする姿に、思わず笑みがこぼれます。北海道産のクリまたはクルミの木を用い、蜜ろうワックスでていねいに仕上げてあります。愛らしいデザインと、ぬくもり感のある優しい風合いは、毎日のコーヒータイムを心和む癒やしの時間に変えてくれます。

ユーモラスなオブジェ

自立させると場所を取らず収納できるほか、ユーモラスなオブジェとして和やかな雰囲気を演出してくれます。スプーンの大きさや熊の表情、色合いや木目など、一つ一つに微妙な違いがあるのも手作りならではの魅力です。世界にたったひとつの個性をお楽しみください。

毎日の食卓にちょっとした安らぎの時間を

かわいい熊のスプーン コーヒーをすくう

慌ただしい一日の始まりに欠かせない1杯のコーヒー。そんな大切な時間にそっと寄り添ってくれるのがこちらのアイテムです。お気に入りのコーヒー豆をていねいに量り、豆をひきゆっくりとお湯を注ぐ。そんな何気ない仕草も、このスプーンがあれば豊かな時間へと変わります。しっとりと優しい手触りや、穏やかな熊の表情は「ふっと心落ち着く作品を送り出したい」という作り手の温かい想いが表現されたもの。きっと、あなたの毎日に小さな幸せを運んでくれるはずです。

What is this craft?

木彫りぐま

北海道八雲町発祥「木彫り熊」とは?

北海道の代表的な民芸品である木彫りの熊は北海道の南西部にあたる八雲地域が発祥とされています。尾張徳川家の当主、徳川義親が欧州旅行の土産で持ち帰った熊の木彫りに着想を得て、八雲町の開拓民やアイヌたちに冬期の収入源として同じものを生産するよう推奨したのが始まりです。やがて何人かの優れた作家が登場し、昭和初期には北海道土産として広く知られるようになりました。その発展にはアイヌがもともと高度な木彫りの技術をもっていたことも大いに関係しています。ちなみに八雲町には北海道第1号の木彫り熊をはじめ、八雲町内外の木彫り熊など約300点を展示する国内唯一の資料館「八雲町木彫り熊資料館」があります。

YOUSUN

コーヒーメジャースプーン

参考価格: ¥7,700(税込)

北海道産のクリとクルミの木を使った木彫りのメジャースプーン。「バンザイ」と「逆立ち」の2種類があり、コーヒー豆(豆の状態)をスプーンすりきりで約7〜8g。山盛りで約10gをすくうことができる。紹介したメジャースプーン以外にもナイフなどのカトラリー類も製作している。

北海道釧路市【MOKA】くしろ魚網シリーズ
漁網の特性を生かして日用品にリメイク

くしろ魚網

雄大な自然に恵まれた町、釧路。豊かな漁場を抱える漁業の町として知られていますが、この地で誕生したのが「くしろ魚網シリーズ」です。地域の女性たちの就労支援を行う株式会社MOKAが製造販売を手がけており、原料となる漁網はMOKAの活動に賛同する漁師の方から仕入れています。地元の女性たちの手によって、ていねいにつくられ日々の暮らしに役立つボディタオルやたわしに生まれ変わりました。

くしろ魚網

魚を傷つけないよう、やわらかく繊細にできている漁網の特性を生かし、パッケージに至るまで心を込めて手づくりしています。スタイリッシュな雑貨のような、落ち着いたパッケージデザインも特徴です。

青山千景さん

青山千景さん

釧路のタラやサンマ、イワシの漁獲高は日本屈指です。そのイワシ用漁網から一点一点手づくりでつくられたのがこのボディタオルです。エコなのはもちろんですが、もともと傷つきやすいイワシを獲るために肌触りが良いのが特徴。食器用たわしも好評で北海道の“ていねいなくらし”の一つとしてお土産にいかがですか?

ふわふわの泡で肌を優しく洗い上げます

くしろ魚網ボディタオル

イワシを獲るための漁網からつくられた「くしろ魚網ボディタオル」。独特の網目が生み出す、きめ細かく豊かな泡立ちと、優しくなめらかな肌あたりが魅力です。一度使えば、きっとくせになる心地良さ。

くしろ魚網ボディタオル

少量の石鹸でも、あっという間にふわふわの泡が立ち上がり、肌を優しく洗い上げます。さらに、網目のほどよい刺激は、まるでマッサージを受けているかのようなリラックス効果も。至福のバスタイムを堪能できます。

洗剤の使用を最小限に。持続可能な暮らしに貢献

くしろ魚網たわし

「くしろ魚網たわし」は、豊かな泡立ちと水切れの良さが自慢です。ほんの少し水を含ませるだけで、きめ細かく豊かな泡がふわり。しつこい油汚れもあっという間にすっきりと洗い上げてくれます。茶渋がこびり付いたお気に入りのカップも、ほんの少しの洗剤で輝きを取り戻せるでしょう。

くしろ魚網たわし

環境に配慮した道具を選ぶことは、私たちが地球のためにできる小さな一歩。くしろ魚網たわしは、漁網をアップサイクルしただけではなく、さらに洗剤の使用を最小限に抑えることでも持続可能な暮らしに貢献します。また、水切れの良さも特筆すべき点です。ぬめりの発生を抑え、いつも清潔な状態を保ってくれるので、安心して使い続けられます。 毎日の食卓を支える食器洗い。機能性に優れ、環境にも優しい魚網たわしで、気持ちの良い暮らしを始めてみませんか?

MOKA

くしろ魚網シリーズ
(左:たわし プレミアムワイド、右:ボディタオル プレミアムワイド)

参考価格: ¥880(税込) ¥2,750(税込)

女性らしい洗練されたパッケージのデザインも特徴。たわしは扱いやすいサイズ感でキッチン、バスルーム、洗面台などさまざまなシーンで活躍。ボディタオルも網の量が多く細かい網目で泡立ち抜群。ふわふわの泡で優しく体を洗えます。

北海道小樽市【Aobato】手ぬぐいシリーズ
北海道の美しい情景をハンドプリント

手ぬぐいシリーズ

小樽の風土が育んだテキスタイルブランドが「Aobato(アオバト)」です。その名は、小樽にすまう愛らしい鳥「アオバト」に由来したもの。アオバトの澄んだ瞳に映っているであろう、北海道のさりげない風景や自然の移ろい、息吹をイメージした絵柄を、シルクスクリーンによる手捺染(てなっせん)で温もりあふれる手ぬぐいへと仕立てています。

Aobato

古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた手ぬぐい。その魅力は、綿100%ならではの優しい肌触りと、高い速乾性にあります。手拭きとして使うのはもちろんのこと、大切な食器を拭いたり、風呂敷のように物を包んだり。日常のさまざまなシーンで活躍してくれる存在です。

手ぬぐい

小樽の伝統的な産業であるガラス工芸をモチーフにしており、ランプやワイングラスなどがユニークにデザインされています。まるで絵本のような物語を感じさせる絵柄は、ランチョンマットや花瓶敷きなど、日常空間のちょっとしたインテリアとして使用しても違和感なく溶け込んでくれます。

青山千景さん

青山千景さん

小樽を拠点にしたテキスタイルブランドは“北海道の風景”を持ち帰ることのできる綿100%の手ぬぐいを製造。アオバトは小樽の海に渡ってくる鳥であり、今は小樽に生息しているものも。その鳴き声には初夏のおとずれを感じます。ちょっとした北海道の日常を上質なシルクスクリーンによって染め上げられた品物としてぜひお持ち帰りください。

日常に溶け込み、空間を華やかに

手ぬぐい使い方 手ぬぐい使い方

気軽に洗うことができる手ぬぐいは、ちょっとした目隠しのほか敷物やテーブルウェアとしても重宝します。季節やテーマに応じて絵柄を選べば、キッチンやダイニングを華やかに演出できます。また花を生けた花瓶の下に敷けば、手ぬぐいがマット代わりとなり、家具を水滴や傷から守ってくれます。

風呂敷のようにお弁当を包んだりも

風呂敷のように使う

細長い形状を生かし、風呂敷のようにお弁当や贈り物を包むこともできます。丈夫な手ぬぐいはポリ袋と違って何度も繰り返し使えるため環境に優しく、見た目の彩りもぐっと増します。柄によってさまざまなシーンに合わせて楽しめるのも魅力です。

Aobato

手ぬぐいシリーズ

参考価格: ¥1,980(税込)

Aobatoはプリンター小菅和成さんとデザイナー岩本奈々さんによるテキスタイルブランド。北海道の景色を描いた絵柄をシルクスクリーンによる手捺染で一点一点染め上げ、手ぬぐいに。サイズは約35cm×90cm。

青山千景さんが思う、北海道のものづくりのこれから

青山千景さんが思う、北海道のものづくりのこれから

北の大地、北海道。私は179以上ある市町村を2周以上もめぐっていますが、今なおその広大さに感激してしまいます。冬には、遥かシベリアから流氷が押し寄せて幻想的な氷の世界が広がり、夏になると一面を紫に染めるラベンダー畑が甘く優しい香りを風に乗せて運んでくるのです。明日にはまたどんな景色と出会えるのだろうか。そんな期待を抱かせてくれるのが北海道の尽きることのない魅力です。

その面積は東北6県に新潟県を加えても、まだ余りあるほど。広大な大地が育む文化は、地域によって多様な表情を見せてくれます。先住民族であるアイヌの文化は、この地の歴史を深く物語り、温かみのあるものづくりは人々の暮らしに寄り添い、独自の輝きを放っています。さあ、あなたも北海道で心ときめく出会いを探してみませんか?

撮影/藤井由依 文/佐藤旅宇 編集/阿久澤慎吾(Roaster)