卵焼きフライパン（卵焼き器）のおすすめ人気12選！専門家が選び方を解説

「銅製の卵焼きフライパンを使うと、おいしくきれいに焼けるって本当？」
「初心者におすすめの卵焼きフライパンはどんなタイプ？ お手入れの方法は？」

卵焼きフライパンとは、プロの料理人が作るようなきれいな卵焼きを焼くことに特化した、角形のフライパンのことです。「卵焼き器」や「エッグパン」とも呼ばれます。一般的なフライパンと同様に、さまざまな素材の卵焼きフライパンがあるため、選び方に迷っている人もいることでしょう。

この記事では、料理道具コンサルタントの荒井康成さんに、卵焼きフライパンの素材ごとの違いや選び方のコツなどを教えてもらいました。

また、荒井さんの選び方のポイントをもとに、your SELECT.編集部おすすめの卵焼きフライパン12商品を素材別に厳選しました。

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おいしくふっくらとした卵焼きを作るために、たくさんの卵焼きフライパンが登場しています。角形の卵焼きフライパンは、厚焼き卵やだし巻き卵のような卵料理だけでなく、少量のおかずづくりができるミニフライパンとしても使える優れものです。

一般的なフライパンに比べるとコンパクトサイズで軽量なので、料理初心者や子どもでも扱いやすいのが利点です。

「卵焼きフライパンは、卵を焼く以外にも使い道がたくさんありますよ」と荒井さん

ただし、安価なものは表面のコーティングがはがれやすく、数年で買い換える必要が多いという問題点もあります。

自分に適した卵焼きフライパンを見つけるには、卵焼きフライパンの素材やサイズ、表面加工の方法などをポイントに選ぶとよいでしょう。

素材｜初心者はアルミ製、ふっくら焼きたいなら銅製がおすすめ

卵焼きフライパンの本体は、一般的なフライパンと同様に、金属でできています。おもな素材は、アルミニウム、銅、鉄、ステンレスです。

「卵焼きフライパンの素材によって、できあがりの卵焼きの風味も変わります」と荒井さん

もっとも一般的なタイプは、アルミニウム製で表面をフッ素樹脂でコーティング加工したものです。くっつかずにきれいな卵焼きが焼けて、価格もリーズナブルなので初心者向きですが、コーティングが長持ちしないという欠点もあります。

卵をふんわりと焼き上げたいなら、おすすめは銅素材の卵焼きフライパンです。卵は熱ですぐに固まってしまうので、熱の伝わり方にムラがあると、焼き色やふくらみ方が均一になりません。銅素材は熱伝導率が高いので、卵にすばやく均一に火を通すことができます。ただし、火加減の調整には慣れが必要です。また、しっかりとお手入れをすれば一生モノとして使えます。

ステンレス素材の卵焼きフライパンの中には、熱伝導率を上げるためにアルミニウム素材と合わせて3層構造にするなど、複数の素材を組み合わせて特性を強化しているものもあります。

サイズ・形状｜食べる人数や一度に作りたい量に応じて決める

卵焼きに使用する卵の数は、一般的には1人1個。つまり、必要な卵の個数=食べる人数が目安になります。家庭向きの卵焼きフライパンは、本体の縦幅はどれも15～18cm程度であまり変わらないため、横幅でサイズをチェックするとわかりやすいでしょう。

お弁当用など、卵1個分の調理なら横幅9cm程度のコンパクトサイズがおすすめ。3人分（卵3個ほど）を一度に作りたいなら、一般的な横幅13cm前後のサイズがぴったりです。

卵焼きフライパンには、縦長・横長・正方形といくつかの形状があります。関東では甘みのある厚焼き卵が好まれ、関西ではだし入りの卵焼きが好まれるなど、地域ごとに卵焼きの味や調理法の好みが分かれるので、それぞれの卵焼きを焼きやすいように、卵焼きフライパンの形状が変化したと考えられています。

家庭用の卵焼きフライパンの多くは縦長タイプの関西型で、卵を巻くときに菜箸やフライ返しが差し込みやすいように先端に傾斜をつけてあるものが多くなっています。

「食べる人数や作りたい卵料理でサイズを選ぶといいでしょう」と荒井さん

表面加工｜フッ素加工されているとくっつきづらい

卵は加熱すると固まる性質があり、フライパンにこびりついたり焦げついたりしがちです。そこで、卵焼きフライパンの中には表面をコーティングして、食材がくっつかないように工夫されているものがあります。メーカー独自の特殊加工を施しているものもあります。

表面をコーティングすることで耐久性が高くなり、食材の焦げつきやくっつきがなくなる

代表的な表面加工（コーティング）の種類は、次のとおりです。

加工の種類	特徴
フッ素樹脂	摩擦係数が低いフッ素樹脂を表面にコーティングしたもの。代表的な表面加工で、テフロン加工もフッ素樹脂コーティングの一部。加工後はすべりがよくなるが、摩耗には弱い
ダイヤモンドコート	フッ素樹脂加工に人工ダイヤモンドを練り込んだコーティング。粒子が硬いのでフッ素樹脂加工よりも摩耗に強く、コーティングがはがれにくい
マーブルコート	フッ素樹脂加工に大理石の粉を練り込んだコーティング。ダイヤモンドコートほどではないが、摩耗に強く、コーティングがはがれにくい
チタンコート	フッ素樹脂加工にチタンを練り込んだコーティング。表面の耐久性はトップクラスで、コーティングがはがれにくいので長持ちする
セラミックコート	陶器の粉を塗布したコーティング。耐熱性が高く、熱伝導もいいので食材に火を通しやすいが他のコーティングのようなすべりはない。有害物質を含まないので、環境に優しいと注目されている

特に、フッ素樹脂で表面をコーティング加工してある卵焼きフライパンの中には、使用しているうちにコーティングがはがれてこびりつきやすくなり、数年で買い直しが必要になるものもあります。

荒井さんに教えていただいた選び方をもとにyour　SELECT.編集部がセレクトした、素材別の卵焼きフライパンおすすめ12商品を紹介します。「くっつきづらくて、長持ちする」と荒井さんのお墨付きです。

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• 【初心者向け】アルミニウム素材の卵焼きフライパンおすすめ3選
• 【ふっくらプロ仕様】銅素材の卵焼きフライパンおすすめ3選
• 【丈夫で長持ち】鉄素材の卵焼きフライパンおすすめ3選
• 【おしゃれで長持ち】ステンレス素材の卵焼きフライパンおすすめ3選

【初心者向け】アルミニウム素材の卵焼きフライパンおすすめ3選

アルミニウム素材の卵焼きフライパンは、軽くて扱いやすく、焦げつかない工夫がされているので初心者向けです。お手入れの手軽さや扱いやすさをポイントに選んだ、アルミニウム素材の卵焼きフライパンのおすすめは次の3つです。

地球と環境にやさしい素材でできた、卵焼きフライパン。表面を5層のマーブルコートで仕上げているので、焼いている最中の卵もくっついたり焦げついたりせずに、スルスルとすべってくれるのが気持ちいい。初心者でも、失敗せずにきれいな卵焼きが作れます。

アルミニウム素材の本体に、耐久性の高いサーモス独自のコーティング（耐摩耗性デュラブルコート）を施しているので、摩耗に強く、焦げつきにくいのが特徴。軽さを重視した軽量モデルです。汚れがたまりやすい取っ手の留め具が外側に付いているのもうれしい点です。

人体や環境に悪影響があるといわれている化学物質を使っていない、安心素材の卵焼きフライパン。遠赤外線効果のあるセラミックに、熱伝導性の高いダイヤモンド粒子を練り込んで表面をコーティングしているので、こびりつきにくいだけでなく、短時間で手早く調理ができます。

【ふっくらプロ仕様】銅素材の卵焼きフライパンおすすめ3選

熱伝導に優れた銅素材の卵焼きフライパンは、卵焼きがふっくらおいしく仕上がります。プロの料理人が好んで使うので機能性重視のものが多いですが、家庭向きに工夫されたタイプも登場しています。銅素材のおすすめ卵焼きフライパンは次の3つです。

親子4代、100年続く老舗の銅器製作所が、一つ一つ手作業でていねいに作り上げた卵焼きフライパン。熱伝導性と保温性に優れた純銅で作られているので、卵全体に均一に熱が通り、焼きムラや焦げつきができにくいのが特徴です。ミニ10は、家庭向けにコンパクト化したミニサイズ。

職人歴40年の職人技が光る、純銅製の卵焼きフライパン。熱伝導性の高い銅が、すばやく全体に熱を伝えるので、卵焼きがふっくらふんわりと仕上がります。細部までていねいに作り込まれているので、お手入れをすれば数十年単位で長く愛用できます。

愛着をもって末永く使い続けてほしいと願って作られた「千歳シリーズ」の卵焼きフライパン。銅は熱伝導性が高いので、弱火でもすばやく全体に熱が伝わります。先端に角度がついているので、菜箸やフライ返しなどを差し込んで巻きやすい初心者向けの仕様です。

【丈夫で長持ち】鉄素材の卵焼きフライパンおすすめ3選

耐久性と蓄熱性に優れた鉄素材の卵焼きフライパンは、ミニフライパンとして少量の炒め物をしたいときなどにも活躍してくれます。鉄素材のおすすめ卵焼きフライパンは次の3つです。

家具デザイナーの小泉誠氏がプロデュースしたキッチンウェア、ambai（アンバイ）シリーズの卵焼きフライパン。表面に細かな凸凹を浮き立たせる特殊加工（ファイバーライン）が施されているのでこびりつきづらく、1人分の目玉焼きやお弁当のおかずづくりなど、ミニフライパンとしても活躍してくれます。

独自の加工技術で、表面に細かな凸凹を施したマグマプレートを採用。熱が伝わりやすいので、食材の芯まですばやく熱を通し、うま味をしっかりと閉じ込めてくれます。軽くて扱いやすく、1～2人分のおかずやサイドメニューなど、少量の料理を手早くサッと作りたいときに便利です。

鉄鋳物の南部鉄器でできた卵焼きフライパンです。厚みがある分、蓄熱性が高いのでムラなく食材に均等に熱が伝わり、卵焼きもふっくらと仕上がります。焼き面には細かな凹凸が施されているので、油がよくなじんで焦げつきにくいのもうれしい点です。使い始めは空焼きと油ならしが必要。

【おしゃれで長持ち】ステンレス素材の卵焼きフライパンおすすめ3選

デザイン性が高く、キッチンに出しっぱなしにしておいても気にならない、おしゃれなステンレス素材の卵焼きフライパン。耐久力の高さも魅力です。ステンレス素材のおすすめ卵焼きフライパンは次の3つです。

丈夫でデザイン性のいいステンレス製の卵焼きフライパン。アルミニウムをステンレスで挟んだ3層構造の底面にして熱伝導力を高めているので、焼きムラができにくくなっています。内側をフッ素樹脂でコーティングしているので食材がこびりつかず、調理後のお手入れも簡単です。

服部幸應氏をスーパーバイザーに迎えて宮﨑製作所が開発した「ジオ・プロダクト」シリーズの卵焼きフライパン。アルミニウム合金を重ねてステンレスで挟んだ全面7層構造の本体は効率的に熱を伝えてくれる省エネ仕様。耐久性が高く、15年の保証付き。底面は丸みを帯びて角がなく、縁まわりの段差がないので洗いやすいのもうれしい点です。

ステンレス製品に定評のあるビタクラフトの卵焼きフライパン。本体はアルミニウム素材をステンレスで挟んだ3層構造で、熱伝導をアップ。内側を独自開発の高密度3層フッ素樹脂でコーティング（ナヴァロン3コート）することで、金属製のフライ返しを使っても傷つきにくく、食材の焦げつきも防止しています。

「卵焼き以外の調理にも使える？」「IH調理器を使っているときに注意することは？」など、購入前に知っておきたいことを荒井さんに教えていただきました。

1. 蓋付き・深型にしておくと活用範囲が広がる

卵焼きフライパンは、角形のミニフライパンと考えれば、他のメニューの調理にも活用できます。お弁当用など、少量のおかずを手早く炒めて作りたいときに便利です。

専用のフタが付いていれば、食材を蒸らすことができるので、餃子や目玉焼きなども調理しやすくなります。さらに、少し深さのあるタイプを選んでおくと炒めものをしても食材がこぼれにくいので、汎用性が広がります。

2. IH調理器を使っているなら卵焼きフライパンの素材を確認

IH調理器は、磁気を含む金属でないと熱を伝えることができません。そのため、卵焼きフライパンの素材によっては、IH調理器では使用できない場合があります。

システムキッチンのIH調理器や卓上IH調理器を使用している場合は、卵焼きフライパンの素材を確認

特に、アルミニウム素材や銅素材の製品の場合、購入する前にIH対応かどうかを確認しておきましょう。ガスコンロの場合は、どのような素材の卵焼きフライパンでも使用可能です。

3. 卵焼き以外にも使うときはニオイ移りに注意

卵は繊細な食材なので、卵焼き以外の調理に使用した場合、卵焼きフライパンからニオイが移ってしまうことがあります。

気になるのであれば、卵焼きフライパンではニンニクや焼肉などニオイが強い食材の調理を控えるか、使用したらすぐに、ていねいに洗っておくようにしましょう。消臭効果のある重曹を使って洗うと、ニオイがとれやすくなります。

卵焼きフライパンを使用するにあたって、気になる疑問を荒井さんにお答えいただきました。

「卵焼きフライパンを上手に使いこなすコツは、よく温めてから使うなどのひと手間を惜しまないこと」と荒井さん

Q. 使用前のお手入れ（シーズニング）は必要？

A. 鉄製や銅製の卵焼きフライパンは熱をよく通すため、火加減を調整しないと焦げやすい素材です。調理前に多めの油を入れた状態で熱する「油ならし」をしておくと、卵焼きフライパンの表面に油膜ができるので使いやすくなります。

Q. ふっくらとした卵焼きの作り方・コツは？

A. 次の手順で卵焼きを作ると、ふっくら仕上がります。

Q. 卵焼きフライパンを使わなくても四角い卵焼きは作れる？

A. 丸いフライパンで四角い卵焼きを作りたいときは、先に両端を内側にたたんで長方形にしてから巻き始めましょう。そうすればできあがりが四角形になります。両端をバランスよく折りたたむのが難しい場合は、シリコン製のベーキングトレイなどをフライパンの上に置いて使う方法もあります。使用するときには、容器の内側全体にしっかりと油を塗って、張りつかないようにしてから使いましょう。

Q. 仕切り付きの卵焼きフライパンのおすすめな使い方は？

A. 卵焼きフライパンの変わり種として、内側に仕切りがあって同時調理ができるツインタイプも登場しています。例えば、片方でスクランブルエッグを作り、片方でウインナーやベーコンを焼けば朝食メニューが時短で作れます。

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでは、卵焼きフライパンの売れ筋ランキングを見ることができます。どれを買おうか迷ったときは売れ筋ランキングを参考にするとよいでしょう。

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卵焼きフライパンを選ぶポイントは、素材とサイズです。自分にとって扱いやすいタイプを優先して選ぶことをおすすめします。

これまで卵がくっついて巻きづらかったのであれば、表面加工がされているアルミニウム素材の卵焼きフライパンがぴったりです。コスパがよく、手入れもしやすいので、お試し感覚で気軽に使い始められます。

特別な調味料を使わなくてもおいしい卵焼きが食べたいのなら、熱伝導の良い銅素材の卵焼きフライパンを選ぶとよいでしょう。卵焼きフライパンのサイズは、卵を使いたい数を目安に選びましょう。

卵料理は食卓によくのぼる身近なメニュー。卵焼きフライパンを手に入れておくと、卵料理がより作りやすくなるかもしれません。