火を使わず、唐揚げや天ぷら、串カツなど、本格的な揚げ物料理が簡単につくれる電気フライヤー。一人暮らし向けから家庭用モデルまでさまざまな商品があり、自分の用途に合ったものはどれなのか、選び方に迷ってしまうひともいるでしょう。
この記事では、電気フライヤーの選び方料理・調理道具研究家の北山みどりさんに教えてもらいました。使い勝手が良く、安全においしく揚げられるものを選ぶポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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北山みどり

料理・調理道具研究家

北山みどりさん

幼少期から料理に興味を抱き、小学3年生のときには本を見ながらお節料理を作るようになる。1985年から料理教室を主催し、テクニックにとどまらず、食べ物の故事来歴や知識など「食」の魅力を伝える教え方が評判を呼ぶ。調理道具にも通じ、食材のもつ力を引き出す調理法の発信やレシピ開発にも取り組む。国際中医薬膳師・中医薬膳茶師の資格を生かして全国で講演を行うほか、著作も多数。

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目次

選ぶ前に知っておきたい電気フライヤーの基礎知識

電気フライヤーは、火を使わずに電気で揚げ物ができる調理家電です。しかし、購入しても「あまり使わなかった」という方もいます。そのため購入前には、自分の生活に必要なのかを考えておくのも大切です。検討材料として、まずは電気フライヤーの基礎知識について知っておきましょう。

卓上で火を使わず手軽に揚げ物ができるコンパクトさが魅力の電気フライヤー

卓上で火を使わず手軽に揚げ物ができるコンパクトさが魅力の電気フライヤー

電気フライヤーとは? ノンフライヤーとの違い

電気フライヤーは、内釜に油を入れ、電気ヒーターで加熱することで食材を揚げる仕組みです。温度調節に手間がかかる一般的な鍋での調理に対し、自動で設定温度に調節してくれる商品が多く、簡単で手軽に揚げ物ができるのが特徴です。

また、火を使わず、安全で手軽に揚げ物ができる調理家電には、ノンフライヤーという商品もあります。電気フライヤーは油を使って揚げるのに対し、ノンフライヤーは油を使わない点が大きな違いです。

電気フライヤーとノンフライヤーの違い

種類 電気フライヤー ノンフライヤー
イメージ 電気フライヤー ノンフライヤー
揚げ方
  • 内釜に入れた油をヒーターで加熱して食材を揚げる
  • 高温の熱風をフライヤー内に循環させ、食材に含まれる油分を利用して揚げる
揚げ物の特徴
  • 油で揚げるので、衣がサクッとジューシーに仕上がる
  • サクッとした食感でヘルシーに仕上がる
揚げられない料理
  • 油の温度次第でどんな食材も揚げられる
  • 天ぷらなど、揚げられない料理がある
おすすめの人
  • 揚げ物本来の味わいを楽しみたい人
  • いろんな揚げ物料理をつくりたい人
  • 健康的に揚げ物を楽しみたい人

電気フライヤーは油で揚げるため、揚げ物本来の味わいを楽しめるのが大きなメリットです。ノンフライヤーは油を使わずにさまざまな揚げ物料理をつくれますが、ジューシーさなどは電気フライヤーにはかないません。そのため純粋に揚げ物がしたい人は、電気フライヤーを選んだ方がよいといえるでしょう。

電気フライヤーを使うメリット・デメリット

揚げ物料理をつくるうえで、電気フライヤーは多くのメリットがある商品です。ただいくつかのデメリットも存在します。どんなメリット・デメリットがあるのか、チェックしておきましょう。

電気フライヤーのメリット・デメリット

メリット
  • 火を使わないので、安全に揚げ物ができる
  • 温度調整機能が付いた商品が多く、料理初心者でも失敗しにくい
  • 油の温度調整が手軽なので、揚げ物がおっくうになりにくい
  • テーブルの上で、揚げながら食事を楽しめる
デメリット
  • 内釜を水洗いできない商品も多く、使った後の掃除が面倒な傾向にある
  • 油が揚げられる温度に達するまで、一般的な調理方法よりも少し時間がかかる
  • 毎回、商品ごとに設定された規定の油量が必要になる

デメリットに挙げているポイントも、自分の使い方に応じた商品を選べば、それほど気にならずに使うこともできます。電気フライヤーを検討するうえで、デメリットになる部分をどれだけ減らせるかにも注目してみましょう。

「電気フライヤーは誰でも簡単に本格的な揚げ物がつくれます。揚げ物を家でつくってみたい方の入り口としてもいい商品だと思います」と北山さん

「電気フライヤーは誰でも簡単に本格的な揚げ物がつくれます。揚げ物を家でつくってみたい方の入り口としてもいい商品だと思います」

プロが教える電気フライヤーの選び方

容量や機能などさまざまな種類がある、電気フライヤーの選び方について北山さんに伺いました。

お弁当やおつまみ中心なら小容量タイプ、いろいろな揚げ物をつくりたいなら大容量タイプを選ぶ

電気フライヤーは容量が0.5L程度の小容量タイプから、1.0Lを超える大容量タイプまでラインアップがあります。容量は用途から選ぶのがおすすめです。

電気フライヤーの容量別メリット・デメリット

タイプ 小容量タイプ 大容量タイプ
イメージ 小容量タイプ 大容量タイプ
容量 0.5L程度 1L以上
メリット
  • 必要な油の量が少ない
  • コンパクトで置き場所にも困りにくい
  • 内釜の直径が広く、いろいろな揚げ物調理に対応できる
  • 容量が大きいので、食材を入れたときに温度が下がりにくく、キレイに揚げやすい
  • 一度にたくさん揚げられる
デメリット
  • 大きな食材は入らないため、つくれない揚げ物もある
  • 必要な油の量が多い
おすすめの人
  • お弁当づくりを中心に使いたい人
  • 晩酌用にちょっとした揚げ物がしたい人
  • 一人暮らしの人
  • いろいろな揚げ物がつくりたい人
  • 複数人に向けた調理で使いたい人

小容量タイプはコンパクトで必要な油の量が少ないので、より手軽に揚げ物ができます。少量で小さな揚げ物を中心とした、お弁当やちょっとしたおつまみをつくるために使いたい人や、一人暮らしの人は、小容量タイプを選ぶのがおすすめです。

大容量タイプは内釜の直径が広いため、とんかつや春巻き、大きなエビフライなど、揚げ物調理の選択肢が広がります。いろいろな揚げ物調理で使いたい人や、一緒に食事をする家族が多い人は、1L以上の大容量タイプを選びましょう。特につくりたい揚げ物がある場合、食材がしっかりと入るのか、内釜の直径にも注目してみてください。

おいしく揚げたいなら、こまかく温度調節できる商品を選ぶ

揚げ物をおいしく揚げるうえで、もっとも大切なのが適切な温度で揚げること。そのために便利なのが温度調節機能です。ダイヤルを回すなどのシンプルな操作で、自動で設定した温度に調節してくれます。また多くの商品が設定した温度になれば、アラームを鳴らしたり、ランプを消灯したりして知らせてくれるため、調理中も手軽です。

ただ温度調節機能は、商品ごとに設定できる温度の幅が異なります。たとえば低・中・高と3段階程度でおおまかに調節するものから、5℃刻みや10℃刻みなど細かく設定できるものなどさまざまです。数字で細かく調節できるモデルなら、より料理に合った適切な温度で揚げ物調理ができます。失敗が少なく、おいしく揚げ物がつくれるので、できるだけ細かく調節ができる商品を選ぶのがおすすめです。

ダイヤルを数字に合わせれば、油を設定した温度に調節できる

ダイヤルを数字に合わせれば、油を設定した温度に調節できる

さらに、油を加熱するパワーも重要です。その力を測るうえでポイントになるのが、本体のW(ワット)数です。W数が大きいほど、加熱する力が強くなります。そのため食材を入れて油の温度が下がっても、早く設定温度に戻り、おいしく揚げることが可能です。1000Wを一つの基準として選ぶといいでしょう。
また、電気フライヤーは本体の保温性が高い方が油の温度が下がりにくいです。本体の厚みがある方が保温性は高い傾向にあるので、チェックしてみましょう。

使い勝手や安全機能もチェック

使い勝手の良い電気フライヤーを選ぶには、以下のポイントを押さえておくといいでしょう。

使いやすい電気フライヤーのポイント

フタを閉めたまま調理できる フタに空気孔を搭載し、閉じたまま揚げられるものなら、油はねを防ぎ、やけどのリスクを抑えながら衛生的に使える
内釜が取り外せる 内釜が本体から外せるものなら、内釜を水洗いできて片付けが簡単
電源コードが長い 電気フライヤーのような消費電力の大きな家電は、延長コードの使用が推奨されていないため、短いものだと使いづらい。1.5mほどの長さがあれば、さまざまな場所で使いやすい
便利な付属品がある 油切りまでできるバスケットや、串揚げをつくる際に串を立てかけられるホルダーなどの附属品があると便利
フタを閉めて調理できる電気フライヤー。フタの空気孔から水分を逃しながら調理する

フタを閉めて調理できる電気フライヤー。フタの空気孔から水分を逃しながら調理する

また、電気フライヤーは高温の油を使って調理する商品なので安全に使えるかはチェックしておきたいポイントです。安全機能にも注目して選びましょう。

おもな安全機能

マグネットプラグ コードに引っかけても、本体からすぐに外れるプラグ
サーモスタット機能 油が高温になりすぎるのを防止する
温度ヒューズ 過度な加熱を防止する
マグネットプラグの商品例。すぐに外れるので、本体が倒れにくい

マグネットプラグの商品例。すぐに外れるので、本体が倒れにくい

まとめ

電気フライヤーは用途に合った容量で、おいしく揚げる機能や便利・安全に使える機能をチェックして選びましょう。選び方のポイントをまとめました。

  • お弁当が中心なら小容量タイプさまざまな揚げ物をつくりたいなら大容量タイプを選ぶ
  • おいしく揚げ物がつくりたいなら、細かく温度調節できる商品を選ぶ
  • お手入れを楽にしたいなら、内釜が取り外せるモデルが◎
  • 調理後の油は、オイルポットなどに移して保管する
  • お手入れの際は、本体や電源部分になるべく水がかからないよう注意する

電気フライヤーに関するよくある疑問Q&A

電気フライヤーに関するよくある疑問について北山さんに答えていただきました。

Q. 油は入れっぱなしでも大丈夫?

A. 入れっぱなしにはせず、調理後は毎回オイルポットに移すなど、不純物や揚げカスを取り除いて保管するようにしましょう油を何日も入れたままにしておくと、においが出たり、揚げたときに煙が上がったり、衛生面でも安全面でも危険です。

オイルポットは日が当たらない、涼しい場所で保管すると鮮度を保ちやすい

オイルポットは日が当たらない、涼しい場所で保管すると鮮度を保ちやすい

▼オイルポットについて詳しく知りたい方はこちら

Q. 電気フライヤーのお手入れ方法は?

A. 内釜が外せないモデルは、食器用中性洗剤を含ませた布やキッチンペーパーで油汚れを落としましょう。その後、固く水を絞った布で洗剤を落とし、最後に乾いた柔らかい布で拭き上げます。内釜が外せる商品は、洗剤を含んだスポンジで水洗いし、最後に柔らかい布で拭き上げれば完了です。

また油を使っているので、本体も汚れやすいです。放っておくとベタベタと油がこびりつき、落ちにくくなるので、気づいたときに本体も中性洗剤を含ませた布で汚れを落としましょう。

「電気フライヤーは調理が手軽な分、お手入れが面倒に感じるかもしれません。手間だと感じる方は、内釜が外せる商品を選ぶのがおすすめです」と北山さん

「電気フライヤーは調理が手軽な分、お手入れが面倒に感じるかもしれません。手間だと感じる方は、内釜が外せる商品を選ぶのがおすすめです」

Q. 電気フライヤーは、どれくらいの期間使える?

A. 電気フライヤーは簡単に壊れるものではありません。10年1サイクルが電化製品の目安なので、適切に使っていれば、そのくらい使えると考えてもいいと思います。本体や電源部分に水がかかり、故障の原因になってしまうことがあるので、特にお手入れの際は注意しましょう。

Q. 電気フライヤーでつくりたい、おすすめの料理は?

A. 特に電気フライヤーで揚げ物料理を始める人におすすめなのは、唐揚げです。下ごしらえをして、過熱した油に入れれば、誰でもほぼ失敗なく調理できます。また大きなエビフライや春巻きなど、幅のある具材は一般的な鍋には入りきらないことがありますが、大容量の電気フライヤーであれば横に並べて簡単に調理できる商品も多いです。さらにテフロン加工されたモデルが多いので、さつま揚げなど、鍋にくっつきやすい料理もつくりやすいと思います。

「市販の冷凍食品も、電気フライヤーはおいしく揚げられます。お弁当づくりなどに、ぜひ使ってみてください」と北山さん

「市販の冷凍食品も、電気フライヤーはおいしく揚げられます。お弁当づくりなどに、ぜひ使ってみてください」

Q. 電気フライヤーの電気代の目安は?

A. 1時間使い続けても、10〜30円ほどとそれほど高くありません。早く調理を終えれば電気代も抑えられるので、揚げ物は適切な温度でおいしくつくりましょう。

まとめ

  • お弁当が中心なら小容量タイプさまざまな揚げ物をつくりたいなら大容量タイプを選ぶ
  • おいしく揚げ物がつくりたいなら、細かく温度調節できる商品を選ぶ
  • お手入れを楽にしたいなら、内釜が取り外せるモデルが◎
  • 調理後の油は、オイルポットなどに移して保管する
  • お手入れの際は、本体や電源部分になるべく水がかからないよう注意する

電気フライヤーを使えば、お弁当づくりが手軽にできたり、食卓での揚げ物のバリエーションを増やせたりと、毎日の料理がもっと楽しくなるはずです。ぜひこの記事を参考に、自分にぴったりの電気フライヤーを見つけてみてくださいね。

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