【2023年】チャイルドシートのおすすめ10選と新生児から使える選び方を専門家が解説

「新生児から安全・安心に使えるチャイルドシートを知りたい！」
「回転式やISOFIXなどいろいろな種類があるけど、何を基準に選べばいいの？」

道路交通法で義務化されているチャイルドシート。新生児から必須で、育児用品ではなく「自動車部品」に当たります。万が一の事故の際、子どもの命を守るためにも、チャイルドシートの正しい使い方や選び方を知っておきましょう。
そんなチャイルドシートを選ぶときのポイントは次のとおりです。

今回は自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんに、チャイルドシートの基礎知識、種類や安全基準、選び方のポイント、正しい使い方などを伺いました。後半では加藤さんのアドバイスを参考に、your SELECT.編集部が選んだおすすめチャイルドシート10選も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

まずは、チャイルドシートの使用義務期間、チャイルドシートの種類について加藤さんにお伺いしました。

チャイルドシートの使用義務はいつまで？

チャイルドシートは「新生児0歳〜6歳未満の子ども」に対して法的義務が課せられています。使用に関しては道交法（警察庁）、チャイシーの安全基準に関しては道路運送車両法（国交省）の2つの法律で定められているほど、重要です。

ただし「チャイルドシートは義務化されているから付けよう」なのではなく、「子どもの安全を守るため」であることを認識しましょう。対象年齢よりも子どもの体格（身長や体重）に適切なものを選ぶことが、安全に使う基本です。記載されている使用年齢はあくまでも目安に過ぎません。

チャイルドシートの種類

「体重と身長に合ったチャイルドシートを選びましょう」と加藤さん

チャイルドシートには大きく3つのタイプ「ベビーシート（乳児用）」「チャイルドシート（幼児用）」「ジュニアシート（学童用）」があり、さらに長期間で使えるよう兼用タイプもあります。

※上記、表組は新安全基準R129をもとに作成しています。旧基準R44は基準が異なるのでチャイルドシートの取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認してください

身長76cmまで、または生後15か月までの赤ちゃんをチャイルドシートに座らせる際は、必ず進行方向に対して後ろ向きで使用します。その後首が据わっているか、一人座りができるかを基準に、前向きでの使用に移行していきます。年齢は、あくまでも目安でしかありません。身長と体重を目安に子どもの体格に合ったもので、車のシートとチャイルドシートと子どもの体の3つに余計な隙間がなく、より密着して動かないように固定できると安全性が高まります。

装着時に隙間ができてしまう場合は、ヘッドレストを外して密着するようにしましょう。大人が使用する際、外したまま走ると法令違反となりますので注意しましょう

次に、加藤さんに安全・安心に使えるチャイルドシートを選ぶときのチェックポイントを4点伺いました。安全基準、取り付け方法、シートタイプ、価格について解説します。

1. 安全基準で選ぶ

チャイルドシートとは、子どもを自動車に乗せる際に安全を守るための装置（部品）です。2012年7月1日から法整備されており、国土交通省が認定するEマークがないと生産、出荷ができません。詳しくは以下で解説しています。それほどまで安全性が問われる商品です。各メーカーによって安全基準や機能が異なるため、慎重に選びましょう。
2022年現在、日本における安全基準をクリアしている認証として、EマークのR44（旧基準）とR129（新基準）があります。Eマークはチャイルドシートの先進国であるヨーロッパの安全基準を満たしたものです。

現行の安全基準に適合している証しであるEマークを確認して購入するようにしましょう

現在、新規で販売されている商品は、R44、R129が中心です。また、Eマーク移行前である2012年6月30日以前に製造された商品には、当時の安全基準表示である自マーク（※）が付いている場合もあります。

基準は改正されるたびに安全性が高まり、より厳しい条件が付加されます。そのため、より厳しいR129をクリアした商品を選ぶのがいいでしょう。同時に後ろ向きでの使用の方が安全性も高まるので長い期間後ろ向きで使用できるものがいいでしょう。

※基準施行年月、チャイルドシートの種類、対象体重範囲、チャイルドシートを示す記号と国土交通省が告示した指定番号が記載されたマーク

2. 取り付け方法で選ぶ

チャイルドシートの取り付け方法にはシートベルト固定、ISOFIX（アイソフィックス）の2種類があります。

	シートベルト固定	ISOFIX
使い方	・チャイルドシートをシートベルトで固定して使用する	・チャイルドシートを車側に装備されている専用金具にカチッと差し込み固定する
特徴	・正しく固定するのが難しい ・メーカーや商品によって取り付け方が異なる	・簡単で正確に固定できる ・ISO（国際標準化機構）による規格
車との適合性	・基本的な車種で使用可能。ただし、ベルトの長さなどの理由で取り付け不可場合もある（※） ・年代が古い車（2点式のシートベルト）は、取り付けが難しかったが、2点式用のチャイルドシートも新品で販売されている	・2012年7月1日以降に日本国内で販売される乗用車には全車標準装備
価格	・ISOFIXより安価（1万円前後〜）	・年々価格は下がっている（2万5000円～）

※チャイルドシートメーカーの公式サイトで調べる、またはチャイルドシート売り場の適合表でも調べることができます。わからない場合は、チャイルドシートメーカーのお客様相談室にと問い合わせてください。その際、車検証が必要になります。

ISOFIXは座席部分の専用金具で固定します

3. シートのタイプで選ぶ

座席上で回転するタイプは子どもの乗せ降ろしが簡単

チャイルドシートのタイプには回転式と固定式があります。それぞれのメリット・デメリットを比較しました。

	回転式	固定式
価格	3～5万円台	1～3万円台
重量	12～15kgが多い	6～9kgが多い
サイズ	大きい、台座が高め	台座がない分低め
乗せ降ろし	ラク	大変
持ち運び	不向き	向いている
注意点	・台座の高さと車内のスペースを考慮する必要がある ・故障しやすい	―

回転式は、台座があるため、固定式に比べ高さがあります。そのため、車のサイズを考慮してチャイルドシートを購入する必要があります。また、重心が低い方が安全性が高いため、台座が20cm以下のものを選ぶといいでしょう。
車を所有されている場合は回転式、レンタカーやカーシェアの場合は固定式を選ぶと使いやすいです。

4. 価格で選ぶ

チャイルドシートの価格相場は、2万5000〜5万円程度とされています。ただし、高いものだからいい商品ということでもありません。機能や使用期間などを総合的に判断して選びましょう。価格とあわせてチェックすべき項目をまとめました。

	特徴など
機能面	・回転式か、固定式か ・後ろ向き、前向き両方で使用できるか ・シートベルト固定かISOFIXか ・通気性や吸水速乾性に優れているか ・クッション性に優れているか ・日よけがあるか ・背もたれの角度を調節できるか
期間	・新生児〜12歳まで使える兼用のものがある ・ジュニアシートとして使えるものがある（ロングユースタイプ） ※中古品の場合は使用年数を確認する
チャイルドシートアセスメント	・前面衝突試験：優・良・普・推奨せずの4段階評価 ・使用性評価試験：25点満点評価

車に乗る頻度や予算などを考え、必要な機能、安全性を確認してから購入しましょう。

加藤さんにお伺いしたチャイルドシートを選ぶポイントをもとに、your SELECT.編集部おすすめのチャイルドシートをご紹介します。ベビーシート、ベビー＆チャイルド兼用シート、ベビー＆チャイルド＆ジュニア兼用シート、ジュニアシート、チャイルド＆ジュニア兼用シート別に選びました。

気になる内容をクリック

• ベビーシート2選
• ベビー＆チャイルド兼用シート2選
• ベビー＆チャイルド＆ジュニア兼用シート2選
• ジュニアシート3選
• チャイルド＆ジュニア兼用シート

ベビーシート2選

まずは後ろ向きで使用する乳児専用のベビーシートを紹介します。

安全性と人間工学に基づき設計されたベビーシート。しっかりホールドできるインサート装備、成長に合わせて調節できるヘッドレストでしっかり守ってくれます。側面も衝突を吸収する素材で守られているので安心です。成長したら360度回転シートにより前向きにも乗車可能。11種類のカラーバリエーションに富んだラインナップで選べる楽しさ満載です。

なんといっても、ベビーシートとは思えないほどの3.2kgという軽さが魅力の商品です。持ち運びが片手でもできるうえに、チャイルドシートとしてだけでなくベビーチェア、バウンサー、ベビーキャリーなどとしての使い方もできます。子どもの頭部を守ってくれる独自形状のヘッドレストや身体を包み込んでくれるハグインレイ機能搭載です。

ベビー＆チャイルド兼用シート2選

新生児から4歳くらいまで兼用して使用できるシートです。さまざまなタイプがある中で、もっとも人気のタイプになります。

独自開発の衝撃吸収素材と側壁で頭部と側面を守るダブル保護機能を搭載した安心して使える商品です。さらに、頭部・背面・腰部・座面に3Dメッシュ素材を使用した蒸れない仕様とウォッシャブルシートでいつでもクリーンに保てます。安全性はもちろん、清潔感を重視したい方におすすめです。

赤ちゃんの頭部、側面、背面に厚みのあるクッションを採用し、側面だけでなく後部の衝撃から守ります。成長に合わせて肩ベルト、ヘッドレストの高さを調節可能。足元まですっぽりと覆うカバーを搭載し、エアコンの風や埃、紫外線からガードします。

シートカバーは洗濯機で簡単に洗え、清潔に保てます。

ベビー＆チャイルド＆ジュニア兼用シート2選

新生児から小学生高学年くらいまで兼用して使用できるシートです。数年使えるタイプなので、費用対効果を考えて購入するのがおすすめです。

左右90度回転ができ乗せ降ろしが簡単。新生児の頭に柔らかくフィットするヘッドクッションを採用し、万が一のときに頭部を守ります。背面も赤ちゃんの背骨が自然なカーブを描けるクッションで、無理なく座れます。ISOFIX、シートベルト固定どちらにも対応。

ヘッドレスト7段階・肩ベルト3段階・リクライニング4段階に加え、約30cm幅の奥行きも調節可能。頭部側面を守るサイドプロテクターや5点式ハーネスで安全性も期待できます。また、ロングユースだからこそ気になる衛生面は、取り外し可能なシートで洗える仕様に。ベビー、チャイルド、ジュニア、どのタイプでも取り付け簡単なので安心して使い続けられる魅力があります。

ジュニアシート3選

4歳くらいから小学生高学年くらいまで兼用して使用できるシートです。比較的大きい子どもにおすすめです。

シートの蒸れが気になる方におすすめの商品。頭部には大開口ヘッドレスト・シート全体には22個の通気口（サラットホール）・座面は穴開きクッション・広範囲に及ぶメッシュ素材使用などの工夫で快適なドライブを楽しめます。さらに、ヘッドプロテクション・可動式ヘッドレスト・ラウンドハイバック・グリップシートで安全性と乗り心地を両立。4.1kgと軽量なのもうれしいポイント。

前面衝突の際、強い力で投げ出される頭部の動きを抑え、幅の広いベルトで顎を受け止め、胸に当たらないように保護します。さらに、腰シートベルトを常に子どもの骨盤の位置に保つことにより、正面衝突の際の腹部に掛かる衝撃から守ります。また、腹部のベルトの圧迫も軽減する設計になっています。

バックルの周辺を照明で照らし、薄暗い車内でもシートベルトの装着が簡単に。子どもが座ると自動的にライトが点灯します。大人がシートベルトを子どもに装着させるときも、子ども自身が装着するときも安全・確実にバックルへ差し込みやすいのが魅力。

安全にも配慮しており、優れた側面保護性能を実現しました。

チャイルド＆ジュニア兼用シート

1歳から小学生高学年くらいまで兼用して使用できるシートです。

簡単さと安全性を求める方におすすめの商品。ISOFIXで初めての方でも簡単に取り付け可能。さらに、肩ベルトが取り付けやすく、外しやすいため乗せ降ろしがラク。安全性の面では、安心基準の一つチャイルドシートアセスメント最高評価で「優」を獲得（※）しています。もしものときにお子さんを守ってくれる可能性が高い証しです。

※2019年度チャイルドシート前面衝突安全性能試験評価において

ISOFIXの取り付け手順について紹介します。
ISOFIXは、車の固定金具にチャイルドシートの金具を差し込む形で取り付けられます。
ほとんどの車種で後部座席（2列目）に2席分付いています。背もたれと座席が交わる部分の間に2つの金具があります。最近の車は、ISOFIXのタグや表示がわかりやすく設置されています

子どもの安全を守るためには正しく取り付けることが不可欠です。商品によって取り付け手順が異なる場合もあるので、説明書をしっかりと読み込んで、正しく取り付けるようにしましょう。

※今回取り付けたチャイルドシートは、欧州ブランドのチャイルドシートを扱っている「CHILDSEAT LAB.」が取り扱うMAXI・COSI（マキシコシ）の本体とベースが分離するタイプのものを使用しました。ベースとは、チャイルドシート本体を取り付ける台で、同じメーカーや対応種類のベビーシートやチャイルドシートの本体だけを取り替えることが可能になります。
また、今回使用した車はホンダのステップワゴンでしたが、車側のISOFIX固定金具も車種によって異なりますので、購入前に固定金具の有無や場所を確認しましょう。

「子どもの体格に合った商品を選ぶことと正しく取り付けることが何より大切です」と加藤さん

Q. 使用義務年齢以上もジュニアシートを使用した方がいい？

A. 子どもの安全を考慮すると、使用義務年齢以上であっても車のシートベルトが安全に使える150cmくらいまでは必ずしようしてください。法律における使用義務年齢は6歳未満までですが、子どもは車のシートベルトを十分に安全につけることができない場合が多いためです。

Q. 何年使用していいの？ 取り換え時期のサインは？

A. メーカーや商品によっても異なりますが、一般的には、ベビーシートは5～8年、チャイルドシートとジュニアシートは10～12年が目安とされています。安全性を考慮すると、兄弟などのお下がりや近所の方からの譲り受けなどでも12年以上の使用は避けた方が無難です。また、最近はリサイクルショップやネットショップでも中古品の流通が盛んです。しかし、過去の利用歴や利用の仕方などが不透明な商品は、安全面を考慮するとあまりおすすめできません。

Q. 子どもの抜け出し防止対策は？

安全のためにハーネスは指1本分が入るくらいに締めましょう

A. 子どもが抜け出せる状態自体、十分に固定できていない証拠です。「きつく締めたらかわいそう……」と思いがちですが、子どもの安全のためにしっかりと装着することが大切です。万が一の事故に備えましょう。また、正しい装着方法は、子どもの体とチャイルドシート、車のシートの3つがすべて隙間なく密着していることです。ハーネスの長さを調節して、子どもの体とチャイルドシートの間は指1本分の隙間までにしましょう。
また、車にも記載はありますが、万が一の事故の際、エアバックで子どもが圧迫される恐れがあるのでエアバックのある助手席には、絶対に取り付けないようにしましょう。

Q. 安全なチャイルドシートを選ぶときの判断材料は？

A. 国土交通省が発表している「チャイルドシートアセスメント」を参考にするといいでしょう。国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構が評価試験を行い安全性能の評価を前面衝突試験：優・良・普・推奨せずの4段階で評価して公表しています。ホームページで公開されています。（参考：チャイルドシートアセスメント）

Q. レンタルと購入どちらがいい？

A. 使用頻度などによって異なります。車を頻繁に使用する場合は、購入する方が取り付けの手間が省けたり、コスト面で抑えられたりします。
車を持っておらず、カーシェアリングやレンタカーの利用がメインの人でも、ドライブやレジャーを楽しむ頻度が高い方には購入することをおすすめします。最近では持ち運びに便利な軽量タイプのチャイルドシートも販売されています。

一方、車をほぼ使用しない方や使用ごとに最新モデルを選びたい方はレンタルがおすすめです。生活スタイルに合った選び方をしましょう。

チャイルドシートを選ぶ基準には年齢・安全基準・固定方法・機能などさまざまありますが、まず第一に車種適合を確認し、子どもの体格に合っているのか考慮しましょう。事故はないに越したことはありませんが、起きないとも限りません。万が一に備えて、子どもをしっかりと守ってくれるチャイルドシートを選択し、安全・安心に快適ドライブを楽しみましょう！