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コーヒーミルの選び方をバリスタが解説!上手な使い方やお手入れ入れ方法も紹介

コーヒーミルは、焙煎したコーヒー豆を粉にするアイテム。コーヒーミルがあれば、喫茶店で出されるような挽きたてのおいしいコーヒーを自宅で楽しむことができます。挽き目を変えられる機種なら、自分好みの味に調節できるのも魅力です。
しかし、手動タイプや自動タイプなど種類があり、どれを選んだらいいのか迷ってしまう人もいるでしょう。
この記事では、コーヒーマイスター兼バリスタトレーナーの小池美枝子さんにコーヒーミルの選び方について伺いました。コーヒーミルを上手に使うコツやお手入れ方法なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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コーヒーマイスター、バリスタトレーナー
小池美枝子さん
「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ」2006年サイフォン部門優勝、「ジャパン コーヒー イン グッド スピリッツ チャンピオンシップ」2013年準優勝など、数々のチャンピオンシップ出場を経て、現在はジャッジを務める。書籍『女性トップバリスタが教えるエスプレッソ&コーヒー』監修。茨城県にある「コーヒーアカデミー ドンマイスター」でワークショップを開催している。
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目次
コーヒーミルを使うメリット

「コーヒーミルを使って、挽きたての香り高いコーヒーを楽しんでほしいですね」
コーヒーミルとは、焙煎したコーヒー豆を粉にする道具のこと。コーヒー豆は挽くことで空気に触れる面積が増えて酸化が進み、劣化するスピードが加速するため、淹れる直前に豆を挽くのがベストです。コーヒーミルがあれば、挽きたての粉でおいしく香り高いコーヒーを淹れることができます。
また、コーヒー豆は挽き方によって風味が変わります。店で豆を挽いてもらう場合、特に注文しないかぎり、毎回同じ粗さで挽くため、味も一定です。家にコーヒーミルがあれば、細挽きにしてエスプレッソを淹れる、粗挽きでちょっと薄めに淹れるなど、その日の気分や好みに合わせた挽き方ができ、味の変化を楽しめます。
また、抽出する際、紙のフィルターをドリッパーにセットするペーパードリップ、金属製のフィルターでこすフレンチプレスなど、いくつかの器具を使い分けている方は、器具に合わせた挽き目にできることもポイントです。
バリスタが教えるコーヒーミルの選び方
コーヒーミルの種類やサイズ、刃の形状など、選ぶ際のポイントを解説していただきました。

「使うシーンや用途に合った、使いやすいものを選びましょう」
自宅で日常的に使うなら自動タイプ、アウトドアで使うなら手動タイプを選ぶ
コーヒーミルは大きく分けて、電動タイプと手動タイプがあります。
コーヒーミルのおもな種類
タイプ | 電動 | 手動 |
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メリット |
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デメリット |
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向いている人 |
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電動タイプのコーヒーミルは、スイッチひとつで簡単に豆を挽くことができます。いつでも均一な粗さに挽くことができるため、味も安定しやすく、初心者からこだわり派まで使いやすいタイプといえるでしょう。自宅で日常的にコーヒーを飲むなら、電動タイプがおすすめです。
手動タイプのコーヒーミルは、手作業で豆を挽くため、ゴリゴリという音や豆の感触、挽きたての香りなどコーヒーを淹れるまでの工程を楽しめることが最大の魅力です。手作業ゆえ、電動タイプと比べると希望の挽き目にするのが難しいというデメリットがありますが、キャンプなどで使いたい人には、持ち運べる手動タイプが便利です。

アウトドアで使う場合は持ち運びに便利な手動タイプのコーヒーミルが◎
一度に淹れたいコーヒーの量に合わせて容量を選ぶ
まずは、何人分のコーヒーを淹れたいのか考えます。1人あたり10gを目安にしましょう。
4人分の豆を一度に挽きたいのであれば、10(g)×4(人)=最大容量が40~50gは必要です。多めに飲みたくなる日もあるかもしれないので、家族の人数分ギリギリではなく少し余裕のある最大容量のものを選ぶことがポイント。4人家族であれば、最低でも最大容量が50~60gのミルを選ぶとよいでしょう。
手動タイプは最大容量が30g程度のものが多く、量が増えるほどに労力も必要になるため、容量が大きなコーヒーミルを求めている場合、必然的に電動タイプを選ぶことになります。

ゆとりあるコーヒータイムを過ごすため、少し余裕のある最大容量のコーヒーミルを選ぼう
豆の挽き方や手入れのしやすさを考え、刃の形状を選ぶ
コーヒーミルの刃の形状は「プロペラ式」「コニカル式」「臼式」の3種類があり、それぞれ豆の挽き方が異なります。メリットとデメリットをチェックして選びましょう。
方式 | プロペラ式 | コニカル式 | 臼式 |
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特徴 | 刃がプロペラのように回転して豆を粉砕する方式 | 円すい状の刃で豆を切り刻むように粉砕する方式 | 凹凸の多い刃ですりつぶすように豆を粉砕する方式 |
メリット |
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デメリット |
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プロペラ式は、プロペラ状の刃を回転させて豆を粉砕するタイプ。水洗いできる製品もあり、手入れがしやすいこと、価格が手頃なこと、コンパクトな製品が多いことなどから、初心者にぴったりです。
円すい状の刃で豆を切り刻むように粉砕するコニカル式は、挽きムラが少ないのが特徴です。機種によってはかなり細かく粉砕できるため、エスプレッソに適した極細挽きに対応できるモデルもあるなど、細かく挽き目調整をしたいこだわり派におすすめです。
臼式(フラットカッター)は凹凸の多い刃でコーヒー豆を粉砕するタイプ。均一な粒度になりやすく、挽き目の調整も簡単です。スピーディーに豆が挽けるため、家族の人数が多い家庭など一度にたくさんの豆を挽きたい人におすすめです。
コーヒーミルの選び方|ポイントまとめ
コーヒーミルは使用シーンや飲みたい量、好みの挽き具合などを考え、使いやすいものを選びましょう。選び方のポイントをまとめました。
- 自宅で日常的にコーヒーを飲むなら電動タイプ、持ち運びたいなら手動タイプがおすすめ
- 容量は1人あたり10gを目安に選ぶ
- 刃の形状は初心者にはプロペラ式、細かく挽き目調整をしたいこだわり派にはコニカル式、一度にたくさんの豆を挽きたい人には臼式がおすすめ
コーヒーミルの上手な使い方&お手入れ方法
コーヒーミルを使ってコーヒーをおいしく淹れるための使い方のコツと、お手入れ方法を小池さんに教えていただきました。
コーヒーミルを上手に使うコツ
電動タイプ、手動タイプのどちらを使う場合も、コツを知ることでおいしいコーヒーを淹れられるようになります。
電動タイプ
電動タイプで挽き目を調整できるタイプの場合、あらかじめ目盛りごとに豆を挽き「挽き具合のサンプル」を作成しましょう。10の目盛りがある場合は10通りのサンプルを作り、アクセサリーケースなどに少しずつ入れておきます。「エスプレッソを淹れるときは〇番の挽き具合がちょうどいい」など覚えておくと、失敗なく希望の濃さのコーヒーを淹れることができます。
プロペラ式の場合は挽き目を細かく調整する機能がついておらず、スイッチを入れている秒数が長くなるほど細かくなる仕組みです。回した秒数ごとにサンプルを作成しておくと便利です。

サンプルを参考にすれば、いつでも希望の濃さのコーヒーを淹れることができる
手動タイプ
まんべんなくコーヒー豆を入れること、ゆっくりと挽くことで粒度がそろいやすく、微粉が少なくなります。
粒度の調節ができる場所は豆を投入する部分や出口部分など製品によって異なり、ネジを回して調整するタイプや、クリックした回数で調整するタイプなど方法もそれぞれです。いずれの場合も、ネジを一番固く締めた状態から少しずつ緩め、粒度を徐々に粗くしていき、好みを探ります。
電動タイプと同様、ネジを回した回数やクリックした回数ごとに「挽き具合のサンプル」を作成すると便利です。

手動のコーヒーミルはゆっくりと挽くことがポイント
コーヒーミルのお手入れ方法
豆を挽いた後そのままにしていると、微粉や酸化した油がついた状態となり、刃がさびてしまったり、コーヒーの味を損なってしまうことがあるため、使用後はコーヒーミルの手入れをしましょう。
-
1
付属のブラシなどを使い、粉をしっかりと取り除きます。柄が絵筆のように丸みのあるタイプのミルブラシがおすすめです。
絵筆のような形のブラシは、細部の掃除にぴったり
-
2
分解できるタイプやパーツを取り外せるタイプの場合は、定期的に分解掃除も行いましょう。
分解ができない場合は、刃の間に粉が残りやすいため、エアブラシも使いながら粉を取り除きましょう。長期旅行に行く際など、しばらく使わない場合には特に分解掃除をおすすめします。粉が残っていないかチェック
-
3
コーヒーミルの周囲に飛び散った粉もきれいにしておきましょう。繊維が細くハリがあるタイプのペンキ用ブラシがおすすめ。広範囲をひと掃きできれいにできます。
大きめのブラシを用意しておくと便利
コーヒーミルに関するよくある疑問Q&A
コーヒーミルに関する気になる疑問について、小池さんにお答えいただきました。
Q. 豆をおいしく保つためには、どんなことに気をつければいい?
A. コーヒー豆は、できるだけ湿度の変化がない場所に保管してください。ジッパー付きの袋に入れて空気を抜き、光が当たらない場所にしまいます。夏は日中の温度が高くなるため、冷蔵庫での保管がおすすめです。ただし、におい移りの可能性があるため、しっかり密封しましょう。1ヶ月以上の長期保存を考えているのであれば、冷凍することで風味をキープできます。ただし、豆のままで冷凍してしまうと、家庭用のミルでは負荷がかかり過ぎ、刃を傷める原因となります。挽いてからの冷凍がおすすめです。
Q. 電動と手動どちらも使えるコーヒーミルはある?
A. 手動のコーヒーミルに充電式の電動モーターを組み合わせて使える2WAYタイプのコーヒーミルもあります。
コンパクトで持ち運べるものがいいけれど、手が疲れのが気になるといった人にはよいでしょう。

容量は少ないが、手動と電動どちらも使えるのがメリット
まとめ
- 自宅で日常的にコーヒーを飲むなら電動タイプ、持ち運びたいなら手動タイプがおすすめ
- 容量は1人あたり10gを目安に選ぶ
- 刃の形状は初心者にはプロペラ式、細かく挽き目調整をしたいこだわり派にはコニカル式、一度にたくさんの豆を挽きたい人には臼式がおすすめ
- コーヒーミルの掃除には専用のブラシやブロアーがあると便利
- 「挽き具合のサンプル」を作っておくと、失敗なく同じ濃さのコーヒーを淹れられる
- コーヒーミルのお手入れには細いブラシと太めのブラシを用意しておくと便利
香り高いコーヒーを楽しむ贅沢な時間をもたらしてくれるコーヒーミル。電動ならスイッチを押すだけで挽くことができ、初心者でもすぐに使うことができます。この記事を参考に、自分に合ったコーヒーミルを見つけてください。
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