看護師派遣会社10選！元看護師おすすめの選び方や地域別ランキングを紹介

「看護師が派遣で働くとキャリアを積めない？」
「利用した方がいい派遣会社は？」

派遣として働くことを考えながら、看護師のキャリアへの影響が心配だったり、自分に合う派遣会社をどう探そうかと考えていたりする看護師の方もいるでしょう。

看護師としての実務経験があり、看護師キャリアの専門家である喜多万里子さんに、看護師向け派遣会社の選び方や、派遣看護師として働くメリット・デメリット、注意点、よくある質問についてお聞きしました。さらに、編集部が厳選した看護師におすすめの派遣会社も紹介しています。

【厳選】看護師におすすめの派遣会社

高給与・好条件の求人を探したい	レバウェル看護
多様な勤務先から求人を絞り込みたい	MC-ナースネット

上記の比較表だけでは自分に合った転職サイトを選べない方は、以下の3選比較表をご覧ください。

※2023年11月時点
※左にスクロールすると看護師派遣会社3選を比較できます。

「派遣会社選びは、キャリアコーディネーターの業務理解度が重要」と喜多さん

派遣会社によって、派遣先の傾向や時給水準が違います。複数の選択肢から自分に合った派遣先を見つけるためにも、派遣会社に登録する際は2～3社に登録することをおすすめします。

1. 希望エリア・業種の派遣求人数が多いか

派遣会社を選ぶうえでは、自分の希望するエリアや業種の求人数が多いかが重要です。派遣会社のWebサイトで求人情報を検索できるため、まずは検索してみましょう。

派遣会社は営業拠点の近くの求人を多く保有している傾向があるため、地方在住の方は近くに営業拠点があるかも確認してみてください。

また、派遣会社の保有求人の業種には傾向があります。病院や介護施設など、希望する業種の求人を多く掲載している派遣会社を選ぶといいでしょう。

2. 時給相場が高いか

同じ勤務先であっても、どの派遣会社から派遣されたかで時給が違うことはよくあります。例えば、時給が200円違っていた場合、1日8時間、月20日間働くとしたら月間で3万2000円もの差です。同じ仕事なら、時給が高いにこしたことはありません。

時給相場が高い派遣会社を探すには、Webサイトでエリア×業種で絞り込みをかけて、出てくる求人の時給を比較するといいでしょう。必ずしも同じ求人が出てくるわけではないので厳密な比較は難しいですが、全体的な時給の平均を見れば傾向はつかめると思います。

3. キャリアコーディネーターが業務内容を理解しているか

看護師は医療行為を行うため、少しのミスが医療事故につながる可能性があります。もし、あなたが経験していない医療行為を行う現場に派遣される場合は要注意です。

キャリアコーディネーターは医療従事者ではなく、看護師の業務内容への理解が浅い人もいます。その場合、ミスマッチな派遣先を紹介される可能性があります。登録面談の際に、業務内容の理解が浅いのではと心配になるような担当者は避けた方がいいでしょう。

具体的には、あなたの看護スキルを詳しくヒアリングしてくれるか、紹介する派遣先でどんな医療行為をする可能性があるかを説明してくれるかなどを確認しましょう。

　　　

喜多さんのお話をもとに、時給相場と職種数の多さで、編集部が厳選した看護師におすすめの派遣会社をマトリックスで図解しました。

※2023年11月時点　編集部調べ
※2 東京都世田谷区病院の平均時給

レバウェル看護（旧 看護のお仕事）｜派遣先の情報を詳しく知りたいなら！

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出典：レバウェル看護（旧 看護のお仕事） 公式サイトより

レバウェル看護（旧 看護のお仕事）は、レバレジーズメディカルケア株式会社が運営している派遣サービスです。

職場訪問をしていて派遣先の雰囲気や情報を熟知しているので、詳細な情報を知りたい人におすすめです。キャリアアドバイザーとの連絡はLINEやメール、ショートメッセージから選べ、連絡がスムーズにとれます。

派遣先のことを詳しく知りたい人におすすめです。

※レバウェル看護（旧 看護のお仕事）は、レバレジーズメディカルケア株式会社が定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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▼特徴

ナースパワー｜高時給で働きたい人におすすめ！

出典：ナースパワー 公式サイトより

ナースパワーは、株式会社ナースパワー人材センターが運営している派遣サービスです。時給2200円以上の高時給求人の比率（東京・病院）が64.4％と高く、時給相場の高い派遣会社といえるでしょう。高時給で働きたい人におすすめです。

「応援ナース」という独自の求人があり、緊急で看護師を求めている医療施設に3～6ヶ月の期限付きで派遣されます。家電付きアパートが完備で引っ越し費用もかからず、45万円以上の月収が確定しています。短期間に高収入を目指す人にはおすすめです。

また、公式サイトで詳しく社会保険や有給休暇、健康診断などの情報を掲載しているので、福利厚生が気になる人も安心です。

※ナースパワーは、株式会社ナースパワー人材センターが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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▼特徴

スーパーナース｜単発や高時給の派遣求人が多い！

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出典：スーパーナース　公式サイトより

スーパーナースは株式会社スーパーナースが運営する転職サービスです。看護師サイト業界では老舗でベテランの担当者が多いため、サポートに定評があります。ユーザーの年間稼働リピート率が79％（※公式サイトより）と高く、利用し続けるユーザーが多いです。

Webサイトでは、派遣期間の区切りが1日、1ヶ月以内、3ヶ月以内と細かく分類されていて、希望する期間の仕事を見つけやすいです。

また、時給2200円以上の高時給求人（東京23区・病院）の比率が54.3％と高いため、高時給の派遣求人を探している人におすすめです。

※スーパーナースは、株式会社スーパーナースが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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MC-ナースネット｜多様な派遣求人を保有！

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出典：https://mc-nurse.net/

MC-ナースネットは、株式会社メディカル・コンシェルジュが運営している派遣サービスです。1865件の派遣求人を掲載しています。（※2022年7月時点　編集部調べ）

病院やクリニック、介護施設といった一般的な勤務先以外に、コールセンターや企業、学校・保育園などがあり、多様な派遣求人を取り扱っています。
また、16都道府県に拠点があるため、地方の派遣求人も探しやすいです。

幅広い勤務先から求人を探したい人におすすめです。

※MC-ナースネットは、株式会社メディカル・コンシェルジュが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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BRAVE（ブレイブ）｜多くの選択肢から選ぶなら！

出典：BRAVE 公式サイトより

ブレイブは、マイナビグループの株式会社ブレイブが運営している派遣サービスです。

特徴は、21都道府県に拠点があり、派遣の求人数が1万2527件と多いことです。（※2022年7月時点　編集部調べ）
勤務先も病院や介護老人施設と幅広く、長期・短期・紹介予定派遣の求人もバランスよく掲載されているので選択肢が多いです。

また、福利厚生も充実していて、申請すれば給与の日払いができるほか、就業日数に応じてポイントが付与され、好きな商品やサービスに交換できる『B-POINT（Brave-POINT）』という仕組みがあります。

多くの選択肢から派遣先を見つけたい人におすすめです。

※ブレイブは、株式会社ブレイブが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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パソナ｜企業求人を探しているなら！

出典：パソナ 公式サイトより

パソナは、株式会社パソナが運営している派遣サービスです。総合派遣会社ですが、看護師求人も取り扱っています。

看護師以外の職種を取り扱っていて企業との取引が多いため、治験や企業看護師など、他の派遣会社ではあまり取り扱っていない求人を保有していることが特徴です。

また、パソナは派遣会社としては老舗であるため、慶弔見舞金や貸付金制度があるなど、福利厚生が充実しています。

医療施設ではなく、企業求人を探している人におすすめです。

※パソナは、株式会社パソナが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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スマイルナース｜介護施設や保育園で働きたいなら！

出典：スマイルナース 公式サイトより

スマイルナースは、クラシス株式会社が運営している派遣サービスです。介護施設や保育園の求人が多い傾向があります。

『K・POINT』という独自の福利厚生サービスがあります。就業期間に応じて最大で年間20ポイント（2万円相当）が付与され、学び・遊び・健康・暮らしなどさまざまな費用を申請できます。

保育園や介護施設で働きたい人におすすめです。

※スマイルナースは、クラシス株式会社が定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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ハートフルスタッフ｜首都圏の介護施設で働くなら！

出典：ハートフルスタッフ 公式サイトより

ハートフルスタッフは、株式会社ハートフルスタッフが運営している医療・福祉系の派遣サービスです。

特徴は、首都圏の老人ホームやデイサービスなど介護系施設の求人が多いこと。短期や単発求人はほとんどなく、長期と紹介予定派遣の求人が中心です。また、交通費が月額3万円を上限として支給されることがメリットです。

給与の下限と上限を設定して検索できるので、希望時給での検索がしやすいです。
首都圏の介護施設の求人を探している人におすすめです。

※ハートフルスタッフは、株式会社ハートフルスタッフが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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ナイチンゲール｜単発求人を探しているなら！

出典：ナイチンゲール 公式サイトより

ナイチンゲールは、株式会社ナイチンゲールが運営している派遣サービスです。

病院だけでなく、訪問入浴や訪問介護、保育園など幅広い業種の求人を扱っているのが特徴です。
また、単発求人が非常に多いため、単発で働きたい人におすすめです。

※ナイチンゲールは、株式会社ナイチンゲールが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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▼特徴

看護のしるし｜時給の高い老人介護施設で働きたい人におすすめ！

出典：看護のしるし 公式サイトより

看護のしるしは、株式会社キャリアが運営する派遣サービスです。

特徴は、取扱求人の多くが老人介護施設の求人であることです。時給水準が2221円（38件）と高いため、高時給の老人介護施設で働きたい人におすすめです。

また、紹介予定派遣の求人も多く取り扱っているため、老人介護施設の正社員として働きたい人もチェックしてみましょう。

※看護のしるしは、株式会社キャリアが定めるプライバシーポリシーを遵守し、個人情報の適切な取扱いと厳正な保護に努めています。

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▼特徴

地域別に、看護師派遣会社の求人数をランキングします。

北海道・東北地方（北海道、宮城、福島）の派遣求人数ランキングBEST3

※2022年7月時点　編集部調べ

関東地方（東京、埼玉、神奈川、千葉）の派遣求人数ランキングBEST3

※2022年7月時点　編集部調べ

中部地方（新潟、静岡、愛知、岐阜）の派遣求人数ランキングBEST3

※2022年7月時点　編集部調べ

関西地方（大阪、京都、奈良、兵庫）の派遣求人数ランキングBEST3

※2022年7月時点　編集部調べ

中国・四国地方（広島、岡山、愛媛）の派遣求人数ランキングBEST3

※2022年7月時点　編集部調べ

九州地方（福岡、鹿児島、沖縄） の派遣求人数ランキングBEST3

※2022年7月時点　編集部調べ

派遣看護師として働くメリットとデメリット、派遣看護師に向いている人について、喜多さんにお聞きしました。

「メリットとデメリットの両面を理解することが大事です」と喜多さん

看護師が派遣で働くメリット

派遣看護師のメリットは、以下の5つです。

1. 自分の働きたいスタイルで、働きたい職場を選べる

派遣で働くメリットは、自分の好きな勤務スタイルを選べることです。例えば、育児を優先して働きたいと思ったら、短期派遣を中心にして、子どもの夏休みや受験前などは働かない期間にするといった調整もできます。

2. 合わなくても、契約期間が終われば辞められる

正社員やパートなどの場合、辞めたいと思っても勤務先から引き止められる可能性が高いです。
その点、派遣は短期ならすぐに終了しますし、長期でも数ヶ月単位で契約更新があるため、自分が辞めたいと思ったら、契約期間の区切りで契約を終了できます。

3. 転職の合間などに、高時給で働ける

派遣の仕事は、転職活動をしながら合間で働くことも可能です。事務などの派遣と比べて看護師の派遣の時給は高いため、すぐに高時給の仕事を見つけられることもメリットです。
一般の職種の場合、派遣社員として働くとキャリアダウンになるという考えがあると思います。しかし、看護師の場合は派遣で働いたとしても、正社員転職の際にネックになることはほとんどありません。逆に、これまで経験のない診療科で働いたことが実務経験になるというメリットになることもあります。
看護師は、派遣でフレキシブルに働くという選択をするハードルが低いといえるでしょう。

4. 実務以外の仕事に時間を取られにくく、残業が少ない傾向がある

大きな病院に勤める正社員の看護師の場合、実務以外に委員会や看護研究などの活動があり、時間を取られます。派遣の場合はそういった活動に参加する必要がありません。
また、派遣社員の残業代は高くつくため、派遣先もなるべく派遣社員には残業をさせないようにすることが多いです。
そのため、残業時間が少ない傾向があり、オフの時間を取りやすいといえるでしょう。

5. 人間関係のしがらみに巻き込まれにくい

職場の人間関係の問題は、一緒に働く人どうしで起きることが多いです。派遣看護師は長く同じ職場で働かないケースが多いため、人間関係のしがらみに巻き込まれにくいでしょう。

「派遣の自由さだけでなく、シビアな面も知っておいてほしい」と喜多さん

看護師が派遣社員として働くデメリット

派遣看護師のデメリットは、以下の4つです。

1. 契約期間中は働かなければいけない

派遣看護師は、働く期間が定められた雇用契約を派遣会社と結びます。そのため、合わない勤務先だと思ったとしても、契約期間内は働かなければいけません。
正社員は、転職して合わないと思ったら試用期間中に辞めるという選択肢もありますが、派遣には試用期間がありません。

もし、行きたくないからと出勤しないと派遣会社とのトラブルになり、その派遣会社の仕事は今後できなくなってしまいます。
そのため、派遣先が合わないと思ったとしても、契約期間終了までは働く必要があります。

2. 賞与はなく、実働時間に応じて収入が変動する

派遣社員の収入は、実際に働いた時間×時給で決まります。そして、正社員と違い、賞与はありません。そのため、お休みの日が多ければ、その分だけ収入は減ります。
ただし、条件を満たせば有給休暇の取得は可能です。派遣社員の福利厚生については「派遣も福利厚生を受けられる？」で詳しく紹介しています。

3. 派遣先から契約終了を決められてしまうことがある

派遣看護師は自分に合う働き方を選べる半面、雇用が不安定です。一時的な人手不足を補うために派遣看護師を必要としていた場合、正社員の採用が決まれば派遣看護師の契約は終了します。その場合、再度派遣会社に相談して、新たな派遣先を紹介してもらう必要があります。
自由な反面、派遣先の都合で契約が終わることもあることは知っておきましょう。

4. 労働環境がよくない可能性もある

派遣看護師を必要としている派遣先は、人手不足であることがほとんどです。そのため、労働環境がよくない職場もあります。
働いてみないとわからない部分は多いですが、職場見学の際に、職員が余裕なく忙しそうな雰囲気の派遣先は避けた方がよいでしょう。

派遣看護師に向いている人

派遣看護師に向いている人は、以下のとおりです。

「柔軟な働き方がしたい人におすすめです」と語る喜多さん

1. プライベートを優先したい人

派遣看護師は週3日だけ働いたり、夜勤のみの夜勤専従で働いたりするなど、さまざまなワークスタイルがあります。
そのため、仕事よりプライベートを優先したい時期は、派遣の方がフレキシブルに仕事の時間を変えられます。
お子さんが小さい時期は派遣看護師として働き、手がかからなくなったら正社員に復帰するという選択も可能です。

2. 未経験の診療科や施設での仕事に興味がある人

例えば、これまで病院勤務をしていた人が老人介護施設に興味があったとします。すぐに転職をする前に、派遣看護師として老人介護施設で働くことで、自分に合っているかを見極めることができます。
また、派遣看護師としての経験も実務経験と見なされるため、正社員として未経験分野に転職する際、有利に働く可能性があります。

派遣看護師として働いている2人のスケジュールと収入例を紹介します。

※サービス利用者の声を一部掲載しています

転職活動しながら、週4日高齢者施設で派遣として働いているAさん

Aさんは、月～水は転職活動をしながら、木～日はフルタイムで高齢者施設の派遣看護師として働いています。

【収入例】
週4日×8時間×時給2100円×4週＝月収26万8800円

妊活中で、2つのデイサービス施設で週5日働いているBさん

Bさんは妊活中で、月～金は1日４時間デイサービスで働いています。土日は家族と過ごす時間です。

【収入例】
週5日×4時間×時給2000円×4週＝月収16万円

派遣に対するイメージはあるものの、詳しい仕組みがわからない方もいるかもしれません。
まずは、派遣や紹介予定派遣の仕組みを知っておきましょう。

派遣の仕組み

派遣看護師、派遣会社、派遣先企業は以下のような契約関係になっています。

派遣看護師として働く場合は、看護師は派遣会社と雇用契約を結びます。
日常の業務に関わる指示は派遣先企業から受けますが、派遣看護師と派遣先企業に雇用関係はありません。

そして、派遣会社は派遣先企業と労働派遣契約を結んでいて、派遣看護師が働いた分の報酬を派遣先企業に請求する流れとなっています。

例えば、看護師が派遣会社と時給2100円で契約し、派遣会社と派遣先企業が時給3000円で契約をしていた場合、差額の時給900円分が派遣会社の収入になります。

また、正社員雇用を前提とした「紹介予定派遣」は、半年を上限として派遣社員として働きます。その半年間で、派遣先企業・派遣看護師共に正社員として働くかどうかを判断します。

双方が合意すれば、派遣先企業と看護師が直接雇用契約を結び、正社員として入職します。どちらかが望まない場合は、紹介予定派遣は終了し派遣契約も終了です。

看護師が知っておきたい、派遣で働くときの注意点をお聞きしました。

「自分のできること・できないことを知っておいてほしい」と喜多さん

1. 社会保険の加入タイミングを確認しておく

派遣看護師の場合でも、勤務日数や勤務時間が一定の割合を超えていれば、社会保険に加入できます。注意しておきたいのは社会保険の加入タイミングです。

正社員は入社日から加入するのが一般的ですが、社会保険は派遣会社によって加入タイミングが違い、稼働して2ヶ月後でないと加入できない派遣会社も意外に多いです。
登録面談を受ける前に、メールや電話などで社会保険加入のタイミングを確認しておくといいでしょう。

2. 現場で行う医療行為を確認する

看護師向け派遣会社のキャリアコーディネーターであっても医療従事者ではないので、スキルマッチが適切ではない場合があります。看護師も初めての分野だと、業務のイメージがわかないため気づかない可能性が高いです。

以下は、ミスマッチの例です。

ミスマッチが起きないようにするには、キャリアコーディネーターに業務の内容を細かく確認しましょう。特に血管ルート確保や経管栄養の経験がない方は、その旨をちゃんと伝えておくことが重要です。
また、未経験の分野にチャレンジする場合は、同分野で働く看護師の知り合いに自分の経験で仕事ができそうかを聞いてみるのもいいでしょう。

3. 紹介予定派遣以外では、派遣先が気に入っても正社員になれないこともある

正社員雇用を前提とした紹介予定派遣ではない場合、もともと企業側は派遣看護師を正社員として雇用することを想定していません。

もし、企業側が派遣看護師を正社員として雇用しようとすると、企業は派遣会社に紹介料を支払う必要があり、高額なコストがかかります。そのため、派遣看護師が派遣先を気に入ったとしても、予算の関係で正社員として入職できないことは多いです。
派遣で働きながらよい職場を探して就職したい人は、紹介予定派遣を選ぶようにしましょう。

4. 有給休暇の取得ルールを確認する

派遣看護師の場合でも、勤務日数や勤務時間が一定の割合を超えていれば、有給休暇が付与されます。ただし、1ヶ月に2日までしか取得できないなど、有給休暇の取得ルールを設けている派遣会社もあります。
半年以上派遣看護師として働く場合、有給休暇が発生する可能性があるため、派遣会社に有給休暇のルールを確認しておくといいでしょう。

最後に、看護師の派遣に関する質問に対して、喜多さんに答えていただきました。

Q. ブランクがある場合、派遣看護師として働ける？

A. 働くことは可能ですが、自分の看護スキルに合った派遣先をきちんと選ぶ必要があります。
臨床経験が浅い方の場合、医療行為がないデイサービスや訪問入浴などでも対応が難しいこともあります。人工呼吸器を付けている方もいらっしゃるためです。
ブランクがある場合は自分ができること・できないことを明確に伝えたうえで、派遣先を決めることをおすすめします。
また、ブランクがある人は、即戦力を求められることが多い単発派遣は避けた方がいいです。

Q. 時給をアップするコツは？

A. 長期的に働いていて、派遣会社に貢献しているという自覚がもてたときに、コーディネーターに打診してみましょう。具体的には、長期で働ける、勤務日数を増やせる、大変な案件を引き受けるなどの場合は交渉してみてよいかもしれません。
また、同じ仕事をしている他の派遣会社の看護師よりも時給が低い場合は、時給アップを打診してみてもよいでしょう。

Q. 派遣看護師も福利厚生を受けられる？

A. 派遣の場合でも、以下の条件を満たせば福利厚生を受けられます。

福利厚生	加入条件
健康保険、厚生年金保険、介護保険	・契約期間が2ヶ月を超える ・1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上
雇用保険	・31日以上の雇用が見込まれる ・1週間の所定労働時間が20時間以上
有給休暇	・半年間継続して雇用されている ・全労働日の8割以上出勤している

交通費支給の有無は派遣会社によって違うので確認してみましょう。
また、ほとんどの派遣会社では賞与や退職金は支給されません。

Q. 一般派遣と単発派遣はどう違う？

A. 派遣は、以下のような違いがあります。

派遣の種類		契約期間	特徴
単発派遣		1ヶ月以内。 1日、2～３日の勤務であることが多い。	イベントやツアー添乗などの求人が多い。欠員のある夜勤なども多く、即戦力であることを求められる。
一般派遣	長期	目安として6ヶ月以上。 最長で3年まで。	長く勤めていると状況によって時給アップの交渉ができることも。安定的に長く働くことを求められる。
	短期	目安として1～6ヶ月未満	正社員採用までのつなぎ、産休代替の場合もある。短期間の人員不足を補うことを求められる。
紹介予定派遣		正社員雇用を前提とした、6ヶ月を上限とする派遣契約	6ヶ月以内に企業・看護師の双方が正社員として働くかを判断する。正社員として採用できる人材かを見極められる。派遣時給が高い傾向がある

Q. 派遣で働くと、キャリアアップしにくいって本当？

A. 看護師の場合、派遣経験も貴重な実務経験になります。例えば、高齢者施設に正社員で応募する場合、派遣での高齢者施設経験はプラス材料になります。

一方で、派遣よりも正社員の方が任される仕事や視野が違いますし、キャリアパスもより広がります。
そのため、自身の生活スタイルや状況に応じて、うまく派遣を活用しながら、正社員としても働き、キャリアを築いていく方が多いです。

看護師の派遣会社は、派遣先の傾向や時給水準に違いがあるので、2～3社に登録するようにしましょう。
派遣会社を選ぶ際は、希望エリア×希望業種の求人数や、時給水準をチェックしてみましょう。そして、キャリアコーディネーターの看護師業務への理解が浅いと、ミスマッチな求人を紹介される恐れがあるので注意しましょう。そして、自分自身の看護スキルを正確に伝えることも重要です。

派遣看護師のメリットは自分の生活スタイルや状況に合わせてフレキシブルに働き方を変えられることです。デメリットは予期しないタイミングで契約が終わる可能性があること。派遣のメリット・デメリットの両面を理解しておくことが重要です。

看護師の場合、派遣経験がキャリアにマイナスになることはなく、貴重な実務経験のひとつでもあります。自身の生活スタイルや状況に応じて派遣を活用しながら、キャリアを築いていきましょう。

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看護師におすすめの派遣会社比較表

看護師におすすめの派遣会社	特徴	公式サイト
	＼派遣先の情報を詳しく知りたい人におすすめ／ ・派遣先の情報を熟知している ・キャリアアドバイザーとの連絡がスムーズ	公式サイトへ→
	＼高時給で働きたい人におすすめ／ ・時給相場が高い ・赴任費用・住宅などが提供される応援ナース求人あり	公式サイトへ→
	＼単発や高時給の派遣求人を探している人におすすめ／ ・老舗なので、ベテランの担当者が多い ・派遣期間を細かく指定して探せる	公式サイトへ→
	＼多様な派遣先から探したい人におすすめ／ ・病院や介護施設以外の求人がある ・高時給の求人比率が高い	公式サイトへ→
	＼多くの選択肢から派遣先を見つけたい人におすすめ／ ・全国21都道府県に拠点がある ・派遣求人数が1万件以上（2022年7月時点）	公式サイトへ→
	＼企業求人を探している人におすすめ／ ・老舗の派遣会社なので、福利厚生が充実している ・看護師向け派遣会社にない求人を探せる	公式サイトへ→
	＼介護施設や保育園で働きたい人におすすめ／ ・保育園の求人が多い ・独自の福利厚生サービスがある	公式サイトへ→
	＼首都圏の介護施設で働きたい人におすすめ／ ・介護施設求人が多い ・交通費支給（上限3万円／月）	公式サイトへ→
	＼単発求人を探している人におすすめ／ ・単発求人が多い ・さまざまな業種の求人がある	公式サイトへ→
	＼高時給の老人介護施設で働きたい人におすすめ／ ・紹介予定派遣の求人数が多い ・時給水準が高い	公式サイトへ→

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